Re: 全角幅送りの議論

敏さま、
小林龍生です。

>“基本方形”は,ある特定の文字のセット(フォント)ごとに定義されているという山本さんの意見を意味に含めた方がよい.
これは、練習問題になります。
日本語の組版では、組版の単位(基本版面とかパラグラフとかページとか)毎に、基本方形を持つが、引用や強調などで、挿入された文字列に変化を付けたい場合、異なる大きさを持つ基本方形の列を組み合わせて用いる可能性がある。
※この場合、組み合わせる(子どもの側)文字同士の時間を子ども側の基本方形のベタ組として、文字列同士の間隔で調整するか、子どもの側の文字列の字間に散らして調整するか、といった議論があり得る。

>定義が2つになるのも,できれば避けたい.
なぜでしょう。基本方形というのは概念で、基本法系幅というのは、大きさです。
これを一つの定義にするのには、ムリがあるでしょう。

>“ベース全角”
既存の名辞(旧JLreqやJISの組版規則も含む)を用いるのは、混乱の元ではないでしょうか。それが、そもそも、ぼくが天に唾した動機。
また、いままでのメーリングリストでの敏さん、太郎ちゃん、木田さん、村田さんの間で交わされてきた議論の大きな論点の一つは、
「基本方形は正方形でなければならないか、長方形でもいいか」という議論の置き換え可能だと考えます。
変形の問題をスコープ外にする、ということは、
「基本方形は、正方形または長方形で、菱形や平行四辺形については、考慮しない(Out of Scope)」と置き換えられそうです。

因みに。
このモデルは、ず〜っと昔、JLreqの前身だったJAGATの研究会として、W3C系の国際的な組版のワークショップ(CSSとSGML系の組版言語との遺恨試合)に、大野邦夫さんが持っていったグリッドモデルに似ているかも。ただ、グリッドモデルだと、縦横の制約がきつすぎで、字間調整の説明がうまく出来ないのでね。


2023年10月10日(火) 16:08 Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>:

> 木田 様
> 小林 様
> 山本 様
> みなさま
>
> 小林 敏 です.
>
>
> 小林龍生 さんwrote
>
> >> 以後の議論においては、この漢字や仮名を収める一意の幅と高さを持った方形を《基本方形》と呼ぶこととする。
>
>
> 基本的にいいと思いますが,“基本方形”は,ある特定の文字のセット(フォント)ごとに定義されているという山本さんの意見を意味に含めた方がよい.もうひとつの問題は,JLReqでは,すでに,ここで説明されている意味で“文字の外枠”という定義された用語があるので,その意味では,すこし説明を変えないといけない.
>
> >> また、基本方形の字送り方向の長さを、基本方形幅(ほうけいばば)と呼ぶ。
>
>   木田泰夫 さんwrote
>
> >キモはこの二行ですね。
>
> 定義が2つになるのも,できれば避けたい.
>
>
> そこで,思いついたが,“ベース全角”という用語です.厳密にするために,ここでは定義された用語で記します.(“全角”といいたいという山本さんに意向にすこし従うが,別用語にした.)
>
>
> “ベース全角”は文字のセット(フォント)に定義されている文字の外枠のサイズで,“ベース全角”の行送り方向のサイズは文字サイズとなり,“ベース全角”の字詰め方向のサイズは,定義された大きさとなる.一般に“ベース全角”の字詰め方向のサイズは文字サイズと同じになるが,異なる場合もある.
>
>
> その定義された文字のセット(フォント)を使用する場合,二分,四分(全角は除く)は,定義された“ベース全角”の字詰め方向のサイズが基準となる.(もし全角下ガリといいたいときは,“ベース全角”下ガリといえばよい.
>
> 小林龍生 さんwrote
>
> >> 通常、方形幅はフォントサイズと同一であるが、文全体に変形が加えられた場合、フォントサイズと一致しない場合もあり得る。
>
> “文全体に変形”に意味は不明,ただし,フォントサイズと一致しない,という説明でよい.
>
>   木田泰夫 さんwrote
>
> >フォントサイズは文字の縦方向が基準なので、縦書きなら基本方形幅に一致しますが、横書きなら基本方形の字送り方向とは直角方向の長さではありませんか?
>
>
> フォントサイズは文字の縦方向が基準ではない.縦組の場合は,文字の左右サイズ,横組では,文字の天地サイズ.ですので,字送り方向(定義された用語は字詰め方向)は,ここでいう“方形幅”でよい.
>
> 小林龍生 さんwrote
>
> >> また、いわゆる斜体(スラント)が施された場合も、基本方形概念を拡張することが可能である。
>
>   木田泰夫 さんwrote
>
>
> >文字の変形は、タイポグラフィ的に望ましいわけではなく、またその方法は、変形をせずに並べた結果の座標変換と考えることができるので、特にjlreq-dで扱う必要はないかと思います。(斜体の場合、変形した部分とそうでない部分の境界をどうするかという問題はありますが、それも含めて特に扱う必要はないかと)
>
> 文字の変形は,私も扱わなくてよいと思う.ましてや斜体(スラント)は例外的処理で,その説明に時間をとる必要はないと思います.
>

Received on Tuesday, 10 October 2023 07:54:27 UTC