RE: アラビア数字とラテン文字の向きの考え方

コメントします。

> これは,我々の世界(活版時代の人々)では“時計数字”と呼ばれているもので,ローマ数字の大文字とは別のものです.“時計数字”は,大文字しかないのですが,JIX X 0213では小文字も採用されています.“時計数字”は,文字通り時計に使用するものですから12までしかありません.そして合成文字です.

U+2160–U+2183の文字は、「時計数字」ではなく「ローマ数字」(Roman Numerals)です。そのため、時計数字の合字の「IIII」は含まれません。

> そうです。学校の教科名に使われています。「情報I」や「数学II」です。

上記の意味では、この使い方は間違いではありません。
また、ローマ数字と通常のローマ字で構成されたローマ数字表記とを区別する必要がある場合(検索?)には、これらの文字を使うのが有効な場合があるかもしれません(あまり想像できないのですが)。

ただし、これらの文字に対応している欧文フォントは少ないと考えられます。複数の文字を一つの数字とみなしている場合があるからです。

日本語フォントで対応している場合があるのは、JIS X 0213に含まれているからでしょう。
日本語フォントの場合、字幅が全角の合字としてグリフが実装されている場合が多いので、(1から12までまたはC, D, Lなどを一文字だけで用いるのであれば)記号的に使う用途では有効かもしれませんが、複数のローマ数字の連続ではスペーシングに無理が生じるでしょう。その点に注意が必要です。

プロポーショナルであっても、合字にはスペーシング上の制約があります。美しく長い年号などをローマ数字で組む場合には、通常の大文字のローマ数字を、個別文字間を実際の印字サイズで視覚的にスペーシングして組むことが必要になるでしょう。大文字のローマ字のスペーシングは、古代ローマ以来、インスクリプション、レタリング、タイポグラフィにおける極めて洗練された技術が必要とされる領域です。

山本太郎
アドビ

-----Original Message-----
From: Taku Yamaguchi <study.yamahige@gmail.com> 
Sent: Saturday, September 13, 2025 8:39 PM
To: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
Cc: JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>; tajima@sanyosha.co.jp; Urayama <urara@peace.ocn.ne.jp>; Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com>
Subject: Re: アラビア数字とラテン文字の向きの考え方

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敏先生、
山口です。

> 合成済の「Ⅲ」ですが,これはU+2162のことですか.
そうです。学校の教科名に使われています。「情報I」や「数学II」です。
教科書、学習塾や予備校などのホームページは、「I」であってもU+2160です。
文科省は、PDFばかりですが、ラテン文字にしてるようです。


2025年9月13日(土) 12:12 Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>:

>
> Taku Yamaguchi 様
>
>  小林 敏 です.
>
> 合成済の「Ⅲ」ですが,これはU+2162のことですか.JIX X 0213では“ローマ数字3”となっています.
>
> これは,我々の世界(活版時代の人々)では“時計数字”と呼ばれているもので,ローマ数字の大文字とは別のものです.“時計数字”は,大文字しかないのですが,JIX X 0213では小文字も採用されています.“時計数字”は,文字通り時計に使用するものですから12までしかありません.そして合成文字です.
>
> そして,ローマ数字は,ラテン文字を使うもので,I, V, Mなどを組み合わせて表します.
>
> “時計数字”は,12までしかないので,それを前提に見出しの番号など,限られた用法しかありません.
>
>   Taku Yamaguchi さんwrote
>
> >山口です。
> >
> >「縦中横のための合成済みの文字」の扱いが悩ましいと思っていて、ローマ数字のこ
> >とです。

Received on Saturday, 13 September 2025 23:48:10 UTC