小林さんが書かれた次のA、B、Cについて、
> B 漢数字については,アラビア数字と異なり,十,百,千,万などの位(くらい)は,まさに“十”,“百”,“千”,“万”などの位(くらい)を示す文字(以下,単位語という)で示すのが原則です.ですから,“〇”(ゼロ)は必要としません(この漢数字に使用する“〇”(ゼロ)は漢字ではないという人もいます).こうした表記方法では,位置は問題とならないので,縦組も,横組も可能です.
例 二十三万四千五百六十七
> C ところが,この単位語を使用する漢数字表記は,アラビア数字にならったのでしょうが,“十”,“百”,“千”の単位語をつかわない(“万”,“億”などは使う)表記方法が採用されてきました.今日では,全ての単位語を使用する方法よりは,“十”,“百”,“千”の単位語をつかわない方法が増えているようにも思います.この表記方法では,位置が位(くらい)を示すが,縦組も,横組も可能です(ただ,Aの横組にしたアラビア数字の方が数値の把握は容易のように思います).Bが縦組でよいのなら,その改良版のCも縦組でもよいでしょう,というか,縦組の世界でBの代わりにCが受け入れられてきた.
例 二三万四五六七
> D 逆に,こうした表記方法は,アラビア数字の表記に影響し,以下のような表記方法が理工学書以外では,よく見掛けます.
例 23万4567
本文の大部分について、上のB(かつ「十」、「百」、「千」、「万」などの数詞を含む)を用いながら、陶器の釉薬の成分の割合を示す箇条書きの部分だけについては、少数を用いる必要から、「〇」と「・」を用いている例を見つけました(下記参照)。
[cid:image001.jpg@01DBCB2F.87B48DE0]
(バーナード・リーチ著、水尾比呂志訳、『乾山』、東京美術、1967年、p. 329より引用)
割合を示すために、「〇」と「・」を利用して位取り記数法で少数を表記していますが、少数が不必要なところでは、「五十」などと通常の漢字の数詞だけを用いています。
少数は位取り記数法を用いないと、「一分」とか「三分四厘」とか書くことになるのでしょうか、そうだとすると使いにくいので、このような不統一は仕方がないように思われます。
参考まで
山本