Re: 和欧間スペース提案:和文と欧文記号との間について

小林様

もう一度考え直してみました。


  *   b1の例 この例は,使用例は,けっこうありそうだ.
  *   中点(中黒)は
  *   これは本来は,全角である.しかし,パーレンの前後を空けないでベタ組にするという配置方法もある.それを実現する方法と半角パーレンを使う.これは考えなくてもいい,という考え方もありうる.
  *    ユニコード(Unicode)を
  *
括弧の中がCだから,括弧もDという考え方もあるが,私は,ここも括弧は和文だと思うので,“中点(中黒)”と同じ問題と思う.しかし,使いたいという考えもありえる.
  *
 は“中点(中黒)”
  *
 そもそもコーテーションマークには,全角のコードポイントがない.IVSで全角字形を使えばよい,と言えるか.

コーテーションマークを含めて、これらはInDesignでは明示的に「等幅全角字形」を指定することで、和欧間のスペースの対象から外れると思います。

また、

      中点(中黒)は
      ユニコード(Unicode)

これらも「等幅全角字形」が使えるのですが、欧文用のパーレンが全角の和文の文字とバランスが上手くとれることはないので、こういう書き方は推奨できませんが……

とはいえ、以下のような和文中の欧文の例は頻度が少し高いかもしれません。ここでは、InDesignの文字組み設定が始め括弧類と欧文(および、欧文と終わり括弧類)との間のスペースをゼロとしています。

      カフェ誇大妄想(Café Größenwahn)と呼ばれた……

同様の例として、欧文と[読点類、句点類、分離禁止文字、後置省略記号(%など)、和字間隔、半角数字]、および[分離禁止文字、前置省略記号($など)、和字間隔、全角数字、全角数字、半角数字]との間のスペースの最適値はゼロに設定されています。ただし、InDesign同様に、文字クラスのペアごとの前後関係に依存したスペーシングの処理が不可欠になります。

逆に次のような欧文中の和文の例も場合もあります。これは、上記の「等幅全角字形」とすることで和欧間のスペース対象から外すことができます。

      The Opium Wars (鴉片戦争)prompted the Qing Dynasty . . .

欧文には詳細な文字クラスが適用されないため「等幅全角字形」をパーレンに適用して欧文ではなく和文にする必要があるのだと思います。


  *
c2の例 使用例は,それほど多くなさそうだが,省略符のピリオドは,それなりに出てくる可能性はある.
  *
  都市vs.農村
  *
  経済学者のP. A.サムエルソンは,
  *
 アルフレッドT.マハンは,
  *
 所有格を示す場合ladies'のように-sで終わる……
  *
 を表すI quickly finished my lunch.とI finished my lunch quickly.と副詞の位置を変えると多少ニュアンスが変わる

欧文のピリオドの後にスペースが不要な場合(i.e.とかe.g.とかU.S.A.とか、ただ詰まり過ぎる場合には組版時に微妙に字間を調整する場合はあるでしょうが)は、人名以外で省略形が頭文字だけで構成されている場合等ですが、それは省略形の中のピリオドの後のスペースの有無であって、省略形の前後の単語とのスペースが無くなるわけではありません。ですから、和欧間にはスペースを入れるのに、ピリオドやコンマの場合だけスペースを入れない理由はないのでは? また、欧文のピリオドは字幅が狭いので、スペースがないと後ろの文字と詰まり過ぎる場合もあるはずです。和文の場合には、和文用のピリオドとコンマを使うのが普通だと思います。また外国人の人名中の頭文字の区切りにはピリオドではなく、中黒を使うことも多いのではないでしょうか(この方が縦組の場合でも比較的容易に対応できるので)。

このように考えますと、たしかに、和文と欧文との間にスペースを入れない方が良い場合があることが理解できました。ですが、それに対応するには、和文の記号類といったおおまかな分類だけでなく、もっと詳細な分類(クラス)に基づいて前後関係に依存したスペーシングを考える必要があるように思います。

山本

Received on Tuesday, 16 April 2024 05:48:55 UTC