- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Sat, 21 Oct 2023 08:03:47 +0900
- To: Koji Ishii <kojii@chromium.org>
- Cc: Shinyu MURAKAMI <murakami@vivliostyle.org>, "Atsushi Shimono (W3C Team)" <atsushi@w3.org>, public-i18n-japanese@w3.org
石井 様 村上 様 みなさま 小林 敏 です. Koji Ishii さんwrote >敏先生の理想としては、私の理解が正しければ、段落先頭も折り返し先頭も天付きである、で合っていますか?(だいぶ時間かけて読んだので間違っていないと思いますが、間違っていたらすみま>せん) あっています.また,見出しなど,その他は,字下ガリの指定が“ある”,“なし”にかかわらず,括弧の前は空けないというのが原則と思います. さらに,理解を深めていただくために,前のメールとは別の角度から書き直してみました. 結論は,以下の組合せのgです. 出てくる箇所は,以下の2つ 段落の先頭行(全角下ガリ)とする場合 以下,“段落先頭”という 段落の2行目以下とする場合 以下,“折返し先頭” 考えられる組合せとしては以下の7つ(2つ追加),なお,括弧の字幅は二分として説明 a 段落先頭:全角二分下ガリ 折返し先頭:二分下ガリ b 段落先頭:全角二分下ガリ 折返し先頭:ベタ(以下,天付きという) c 段落先頭:全角下ガリ 折返し先頭:二分下ガリ d 段落先頭:全角下ガリ 折返し先頭:天付き e 段落先頭:二分下ガリ 折返し先頭:天付き f 段落先頭:二分下ガリ 折返し先頭:二分下ガリ g 段落先頭:天付き 折返し先頭:天付き このようにいくつかの組合せがあるが,どれがいいのか? それぞれについてコメントします. 以下は先頭の行頭を全角下ガリとする場合 a 括弧の字幅を全角と考えるとこうなる.見た目でいうと下がりすぎ,折返し先頭の行頭の位置がそろわない. bとc 組合せとしてあるが,書籍・雑誌では採用例はない.論理的に説明がつかない. d 最近(1990年ころから)の書籍・雑誌での採用が増えている.折返し先頭の行頭の位置がそろう. e 大手の出版社では,これ.一般の人にはあまりよいと思われていないふしがある.段落の区別がつきにくい場合もある.つまり,一般を考えれば少数派であるが,書籍・雑誌の世界では多数派. 以下は先頭の行頭を全角下ガリとしない場合 f 折返し先頭の行頭の位置がそろわない. g 折返し先頭の行頭の位置がそろう. 次に先頭の行頭を全角下ガリとするかしないかの問題 結論は,デフォルトは“しない”でよいと思う.その理由は,以下 1 Webでは,今後,先頭の行頭を全角下ガリとしない方法が増える可能性がある.段落の区別を1行アキとする方法などで.そもそも,先頭の行頭を全角下ガリとするのは,段落が複数あるテキストの場合である.Webなどでは,そうでないテキストも多い. 2 Wordを含め,アプリケーションで,デフォルトの書式として全角下ガリが採用されている例がないと思われる.また,そもそも書式として全角下ガリが選択できないアプリケーションもある. 3 となると,多くの人が段落先頭の行頭を全角下ガリとするには,なんらかの対応をとらないといけないと考えている可能性がある.であるなら,段落先頭の行頭を全角下ガリとする場合には,対応を考えてもらう,という方法は成り立つ. 次に先頭の行頭を折返し先頭の行頭を二分下ガリか天付きとするかしないかの問題 結論は,デフォルトは“天付き”でよいと思う.その理由は,以下 1 折返し先頭の位置がそろう 2 書籍・雑誌では,二分下ガリとする例はあったが,今日では,ほとんどない. 最後に,感想として Webと書籍・雑誌は異なる,という考え方もある.私が出版界に在籍していたということもあるが,そうではなく,書籍・雑誌での行頭の括弧類の配置方法の鍛え方というか,問題のされ方というか,Webとは比較にならない.書籍・雑誌での行頭の括弧類の配置方法を記述した本はくさるほどあるが,Webでは,そのことを書いた本はほとんどないと思う.今,問題にしているではないかというが,議論しているのは,たぶん我々だけでしょう.その意味では,書籍・雑誌の参照は大切だと思う. そして,いろいろと考え方はあるとしても,ある意味で,これでいいんだよ,という方法を示してあげることも必要だと思います.
Received on Friday, 20 October 2023 23:29:13 UTC