- From: Koji Ishii <kojii@chromium.org>
- Date: Fri, 20 Oct 2023 23:07:21 +0900
- To: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Cc: Shinyu MURAKAMI <murakami@vivliostyle.org>, "Atsushi Shimono (W3C Team)" <atsushi@w3.org>, public-i18n-japanese@w3.org
- Message-ID: <CAHe_1d+LXX0PGcLp8hBDTKUkADRxPZK0+b6vynB_AoW1C52jfA@mail.gmail.com>
敏先生 ありがとうございます。この分析、いいですね、残したいですね。JLREQ-Dとかで可能ですか? 表にできないかと思ったんですが、次数が3以上あるので、どうわかりやすくまとめるかが難しいところですが。 残せるとしたら、次数が多くて、と言いながら、さらにあと一つ、用途別みたいなものを足せますか? 本文用、見出し用、箇条書き用、キャプション用、みたいな。見出しや箇条書きでは、段落先頭を字下げすることは稀だと思いますし、ツメ組の許容度も上がりますよね? すべての用途で同じ結論に至るかもしれませんが、「本文を想定して考えた」というのと「すべての用途を考えたら、同じ体裁になった」というのはちょっと過程が違う気がします。 ポータルトップやニューストップは、見出しの箇条書きのようなもの、紙で言えば、目次ページだとも言えるかもしれません。目次、端物、中吊り広告( こんなレイアウトですね <https://www.ac-illust.com/main/search_result.php?word=%E4%B8%AD%E5%90%8A%E3%82%8A%E5%BA%83%E5%91%8A> )は、こういう体裁がある、という話があれば、Webへの適用度も高くなるかもしれません。 敏先生の理想としては、私の理解が正しければ、段落先頭も折り返し先頭も天付きである、で合っていますか? (だいぶ時間かけて読んだので間違っていないと思いますが、間違っていたらすみません) それであれば、CSS既定値の話は、また少し別の次元かもしれません。私の理解では、木田さんも村上さんも下農さんも私も「常に天付き」で同意見だと思います。少し前まで私は、グリッド重視(二分下がり)を好む場面もあったのですが、最近は天付きの方がいいと思っています。 CSS既定値の話は、「常に天付きが望ましい」から始まったのですが、「常に天付き」が青空文庫等の小説サイトを壊す、というのが見つかって、村上さんが五年前に別案を考えてくれたそうです。この案で、小説サイトを壊さずにすんだのですが、今度は、ポータルトップやニュースサイトが壊れた、というのが今回の話です。 「常に天付き」に戻せば、ポータルトップやニュースサイトは直りますが、元の「小説サイトが壊れる」というのが再発するので、戻せません。私が現状思いつく選択肢としては、 1. 小説サイトもポータルトップもニュースサイトも壊さずに「常に天付き」を実現できる方法を考える 2. それがなければ、「常に二分下がり」が既定値としては安全で、啓蒙活動によってサイトが適切な値を指定できるように目指す ではないか、そして残念ながら1は存在しないのではないか、というのが現状です。 CSS既定値が、安全な「常に二分下がり」になると、敏先生の分析に合わせると A 段落先頭について書式としては全角下ガリにしない A-A 段落先頭に全角スペースが入っている場合 ⇛段落先頭は一字下がり、折返し先頭は二分下がりになります A-B 段落先頭に全角スペースが入っていない場合 ⇛段落先頭、折返し先頭、ともに、二分下がりになります B 段落先頭について書式としては全角下ガリにする(CSSのtext-indentで設定する) B-A 段落先頭に全角スペースが入っている場合 ⇛(この組み合わせ、あるんでしょうか?)段落先頭は二字下がり、折返し先頭は二分下がりになります B-B 段落先頭に全角スペースが入っていない場合 ⇛段落先頭は一字+二分下がり、折返し先頭は二分下がりになります 理想とは異なるでしょうが、破綻はないと思います。現状と同じ挙動ですので、安全なはずです。 啓蒙活動をどうするか、機能がリリースできたら、記事を書くとか、いろいろできると思うので、また相談できるかと思います。 On Fri, Oct 20, 2023 at 5:23 PM Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp> wrote: > 石井 様 > 村上 様 > みなさま > > 小林 敏 です. > > 前のメールに誤りがありましたので,再送いたします. > > 行頭の括弧類の処理ですが, > > Koji Ishii さんwrote > > >多岐の議論をしているので、どの側面を議論しているのかを明確にすると、わかりやすいでしょうか。 > > ということもあり,また, > > 木田泰夫 さんwrote > > > >この議論、段落を字下げで作る場合はどうなるのが良いか、段落を空行で作る場合にはどうなるのが良いか。自分はどちらの前提で今話しているのか、分けて考えると少し整理がつきますかね? > > > これ,案外に関係するかもしれないと思いなおしています.ましてや,端物では,段落の先頭を下げないことも多いでしょう.そこで,一般化したケースを考えてみました.ただし,私はSCCに詳しくありませんので,私の用語で説明し,また,誤っているかもしれませんが,参考にしていただければと幸いです. > > 結論を先に書くと, > デフォルトの設定としては,“段落先頭の字下げはなし,折返し先頭はベタ”がよいと思う.段落先頭の字下げを設定したい人は,その設定を行う. > > 以前のメールに書いてことを繰り返します. > > 出てくる箇所は,以下の2つ > 段落の先頭行(全角下ガリ)とする場合 以下,“段落先頭”という > 段落の2行目以下 以下,“折返し先頭” > > 考えられる組合せとしては以下の6つ(1つ追加),なお,括弧の字幅は二分として説明 > a 段落先頭:全角二分下ガリ 折返し先頭:二分下ガリ > b 段落先頭:全角二分下ガリ 折返し先頭:ベタ(以下,天付きという) > c 段落先頭:全角下ガリ 折返し先頭:二分下ガリ > d 段落先頭:全角下ガリ 折返し先頭:天付き > e 段落先頭:二分下ガリ 折返し先頭:天付き > f 段落先頭:天付き 折返し先頭:天付き > > 今回は,すべてありと考えます. > > > 今回の考えの前提:今後,段落を示す方法として,Webでは,段落間を1行アキ(必ずしも1行としないで,行間を広げればいいのですが,以下,1行アキという)にする方法が増える可能性がある.この場合,これまでの慣習にならい段落先頭を全角下ガリとする方法をよく見かけるが,1行アキの場合は,その必要はない.と考えると,今後は,段落先頭を全角下ガリとしない方式が増える可能性がある.また,端物では,段落の先頭を下げないことも多いでしょう. > > となると,段落先頭について書式としては全角下ガリにしない方法がデフォルトでいいことになる.そうすると,どうなるかは以下. > > A > 段落先頭について書式としては全角下ガリにしない(天付き)をデフォルトと考えた場合(全角下ガリをデフォルトとした場合にどうなるかは,この後に記します). > > デフォルトをどう決めるか,段落先頭及び折返し先頭,というか折返し先頭だけが問題 > A-a 折返し先頭(及び段落先頭)のデフォルトは天付き > A-b 折返し先頭(及び段落先頭)のデフォルトは二分下ガリ > どちらに決めてもよいが,私はA-aがよいと思っている. > > (注)段落先頭の字下げがなしの場合で折返し先頭を天付きとした設定では,段落先頭も天付きとなる,と私は考えたが,それでいいですか? > > A-A 段落先頭に全角スペースが入っている場合 > B-a 約物連続時に詰める設定 → 段落先頭は,全角下ガリ(全角スペースと括弧の字間は二分詰められる) > B-b 約物連続時に詰める設定がない → 全角の二分下ガリとなるが,行の調整処理で詰められるかもしれない,つまりアキはい一定しない可能性がある. > > 段落先頭と折返し先頭の組合せは以下 > A-aとB-a → 組合せのdとなり,まったく問題ない,私はこれが理想 > A-aとB-b → > 組合せのbとなる可能性があるが,段落先頭は保証されない.この組合せは,一般にないが,読む際に問題が出るわけではない.まあ,それはデータの作り方と,細かい設定をしっかり考えないことが問題で,データを作成した人の責任と思う. > A-bとB-a → 組合せのcとなり,これはあまりない配置だが,それはそれでよい. > A-bとB-b → > 組合せのaとなる可能性が高く,それはそれでよいが,段落先頭は保証されない.まあ,それはデータの作り方と,細かい設定をしっかり考えないことが問題で,データを作成した責任と思う. > > A-B 段落先頭に全角スペースが入っていない場合 > A-a 段落先頭も折返し先頭も天付き これはこれで問題はでない > A-b 段落先頭も折返し先頭も二分下ガリ これはこれで問題はでない > > > このように考えてくると,折返し先頭をどうするかは議論になるが(aとした方が問題の発生は少ない),段落先頭について書式としては全角下ガリにしない(天付き)をデフォルトとしてよさそうだ.1行アキにしないで,折返し先頭を全角下ガリにしたい場合は,そのように考えた著者なり編集者が書式を変更し,全角下ガリに設定を行えばよい.とうぜん,そのような書式を設定する場合は,折返し方法も考えて設定する必要があるので,デフォルトの状況を考えて設定するだろうから,それもあまり問題とならない. > > B 段落先頭について書式としては全角下ガリにするをデフォルトと考えた場合 > > B-A 段落先頭に全角スペースが入っている場合 > > C-a 約物連続時に詰める設定 → 段落先頭は,2倍下ガリ(全角スペースと括弧の字間は二分詰められる) > C-b 約物連続時に詰める設定がない → 2.5倍下ガリとなるが,行の調整処理で詰められるかもしれない,つまりアキはい一定しない可能性がある. > > > いずれも問題が多い.この場合,折返しがどうなる以前の問題といて,段落先頭では誰もが考えていない結果となる.ですから,こうした状況が起こるということを考慮するか,しないかだけが問題. > > B-B 段落先頭に全角スペースが入っていない場合 > > C-d 折返し先頭のデフォルトは天付き 組合せのdとなり,まったく問題はない > C-e 折返し先頭のデフォルトは二分下ガリ 組合せのaとなり,これはこれで問題ない. > > (注)改行先頭の括弧は,折返しを二分下ガリの設定では,改行先頭は全角二分下ガリ,でいいですね? > > > このように考えると,折返しのデフォルトは,天付きでも,二分下ガリでもがよいが,aが多数派か,そうでないと考えるかで異なる.aを小数派と考えれば天付きがデフォルト,aを多数派と考えれば,デフォルトは二分下ガリ,となる. > > > ですから,改行行頭を書式としては全角下ガリにした場合は,主に改行の全角下ガリを実現するために全角スペースを挿入しているデータをどう考えるかが重大な問題となる.これを無視するなら,段落先頭の書式として全角下ガリをデフォルトとしてよい. > > > 以上から抜けている問題がある.それは組合せのeが実現できないことである.eをどう実現するかは,けっこう難しい.eの場合,段落先頭に括弧がなければ全角下ガリです. > > > e方式を選んだ場合,折返しを天付きにするのは簡単であるが,改行行頭である.括弧で始まらない行は全角下ガリなので,別個に括弧で始まる段落はdivで名称を付けて区別し,書式を設定するしかないのか,それとも何か方法があるのかは,私はわからない. > > > そして,このeは,下農さんのメールから判断すると,世間一般では少数派になりそうであるが,出版の世界で出版社の数では少数派であるが,刊行点数では多数派である.つまり無視できない,ということになる. > > 以上,ご参考まで > >
Received on Friday, 20 October 2023 14:07:44 UTC