- From: Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com>
- Date: Tue, 17 Oct 2023 07:53:55 +0000
- To: "Atsushi Shimono (W3C Team)" <atsushi@w3.org>, "public-i18n-japanese@w3.org" <public-i18n-japanese@w3.org>
(コメントします) shimono wrote: > 「合成斜め」にするための縦・横書きに対する変形パラメータの提示も(jlreq-dではないにせよ)どこかでほしいなぁ、というのが今日この頃ではあります・・・ あと、どちらかというと「italicは斜体ではない」(そもそも続け文字、、筆記体?だから当然ではあるんだとは思いますが)ちうところを入れておく必要もあるんでしょうか。 私は、日本語の斜体で一番一般的に広く用いられているのは、大塚享『写真植字の15章』(印刷学会出版部、1989年増補版第2刷)p. 75での記述:「単に『斜体』という指定では、もっとも一般的な右正斜体(2番)とみなされる。」に同意します。これは横組にも縦組にもあてはまります。 実際、例えば雑誌や商業印刷で手動写植が全盛を極めた時代の1983年の創刊号からDTPが普及しつつあった2002年の57号までモリサワが刊行した『たて組ヨコ組』誌の全号を私が調べたところ、縦組で斜体を見出しや小見出しに使っている記事19件の内、左斜体を使っている記事は2件だけでした。横組では1件だけでした。 現在のアプリケーションのようにshearing(剪断)による変換で、右正斜体(2番)のライン揃えと類似の斜体を実現する場合には、横組みでは、約12.68°のスラントの変形を仮想ボディ(普通は正方)の中心を原点として適用すればよいことになりそうです。縦組みでは 約–12.68°のスラントをかけることになります。 他方で、InDesignの「斜体」のように、手動写植とまったく同じ方法で右正斜体(2番)のライン揃えを実現すると、文字サイズが小さくなるため、字間が空いて見えないように調整するには、字送り量を約0.883456倍にする必要が出てきます。そのためInDesignの「斜体」機能には「ライン揃え」に加えて「ツメの調整」のオプション設定も可能になっています。(関数電卓を使って1文字づつ印字位置をずらして斜体ライン揃えを手動写植で行っていた時代に比べると、今は夢のようです)。 どちらにしても、italicと斜体とは全く関係がないため、欧文のベースライン上の原点は意味がなく、どのような変形を掛ける場合でも仮想ボディの中心を原点にして変形を掛ける必要があります。 参考まで 山本
Received on Tuesday, 17 October 2023 07:54:07 UTC