- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Thu, 12 Oct 2023 16:32:45 +0900
- To: 木田泰夫 <kida@mac.com>, Yamamoto Taro <tyamamot@adobe.com>
- Cc: JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
木田泰夫 様 みなさま 小林 敏 です. 縦組と横組の文字サイズの件,私の気持は,深入りしたくないな,日本語の場合,たぶんアプリケーションでは,適当にごまかしていので,深入りすると説明のつかないことがでてくることは予想できることです(そんなことに関係したくないというのが私の気持).その事情を以下に書いておきます. 文字の外枠について,行送り方向(縦組でいえば左右サイズ,横組でいえば天地サイズ)が文字サイズという言い方をしています.これは,単純にラテン文字組版に従ったもので,和字については,なんら合理性はありません. 縦組でラテン文字を横向きにする(これがまず期待された配置です).ですので,縦組でも,横組でも,ラテン文字の天地方向が文字サイズですよと,いっているだけです.ラテン文字の左右幅は文字サイズはプロポーショナルなので,一定していません.ラテン文字でも天地方向のサイズは一定していませんが,ラインがあるので,文字サイズとの関係がつけやすいのです. で,日本語組版でなぜ,これまで問題にならなかったか.それは文字の外枠が正方形であったので,天地でも左右でもなんら問題はなかった. ところが,文字に変形がかかた場合,どうなるか.文字サイズは,ただ,原形を拡大・縮小されるのです.ですから,原形の形によって,文字サイズがどこに実現されるかは,わからないというのが実際です.それに横組,縦組となった場合,文字の外枠の左右か,上下か,まあ,どちからが文字サイズになるのでしょう.実は,文字サイズがどうなろうが,組版処理で考えれば,あまり関係ない. というのは,文字を並べる場合,文字サイズは,あまり関係してきません.その文字の字詰め方向の幅(字幅)がわかればいいわけで,文字サイズはわからなくてもよい.ましてや,行送り方向では,ベタ組ということはありませんので,文字の行送り方向の文字サイズはわからなくてもよいのです.何が必要かというと,文字の中心から(中心でなくてもよい,決まっていればよいが,位置が異なれ,位置計算はやや変わってくる),次の文字の中心までの距離が指定されていればよい.つまり文字サイズは計算に入れる必要はない. ただ,行間という説明を行うためには,文字サイズがないと困る.ただ,それだけのことだと思います. もっと言えば,文字サイズは,字面の大きさを示したものでも,文字の外枠(仮想ボディ)の実際のサイズを示したものでもない.コンピュータが原形を数値計算してある字形を表現したもので,まあ,ある意味で文字の大きさを示しているといっても,実際の字面の大きさは,フォントにより異なる.計れないものに,まあ,なんとかサイズに名前をつけて,こんなものよ,というところが実際ではないか. 木田泰夫 さんwrote > それは、現在のいわゆる長体フォントが縦組に対応していないからです。そして偏平の新聞明朝は横組に対応していません。
Received on Thursday, 12 October 2023 07:33:32 UTC