Re: 全角の歴史

みなさん

 小林 敏 です.

漢字の歴史については,以下のような,なかなか面白い本があります.内容も読みいやすいし,図版も多い.漢字と書写材料,筆,さらに人間とのかかわりについて,甲骨文字から木版,活字印刷まで,取り上げています.書体の変遷も書かれています.それによれば,明朝体は,木版を彫刻する際の作業性から考えられたようです.
 藤枝晃著“文字の文化史”(講談社(講談社学術文庫),1999年),元版は元版1971年,岩波書店

これによれば,書写本でも,仏典など,ある種の大切な本は,1行が17字というのが多いようです.なぜ17字かは書いてない.1行の字数を定めた本は漢文の本では多いと思います.

漢字は,1字1字が意味を表し,文字の並びで語(字)の関係を示すので,ただ文字を並べていくだけでよい.したがって,縦と横が整然とそろえて書くことも,また印刷することもできた,ということのように思います.整然とそろえて書くなり,印刷するので,結果的に縦と横そろえられたものが多くなったのでしょう.

Received on Monday, 9 October 2023 03:41:33 UTC