- From: Masaya Kobatake <kobatake@dynacw.co.jp>
- Date: Mon, 9 Oct 2023 08:38:19 +0900
- To: public-i18n-japanese@w3.org
みなさん、 以下で触れている元資料を確認したのでお伝えします。 『活字印刷の文化史 キリシタン版・古活字版から新常用漢字表まで』 張秀明・大内田貞郎・豊島正之他共著 勉誠出版 2009(平成21)年刊 嵯峨本「伊勢物語」の活字と組版 鈴木宏光 (同書105ページ) 参考まで。 -- 小畠正彌 On 2023/10/04 15:37, Masaya Kobatake wrote: > 横から一言。 > > 嵯峨本の木活字も全角ベースだったと思います。 > 二文字、三文字を繋げた連綿の木活字も全角の二倍、あるいは三倍どりの大きさ > だった記憶があります。刷り版面の文字に沿って罫線を引いた図版で説明してい > るものがあったはずですが、今出先で元資料にあたることができません。 > > 山本太郎さん、小林敏さん、ご記憶ございませんか? > > -- > 小畠正彌 > > On 2023/10/04 9:11, 木田泰夫 wrote: >> 山本さん & all、 >> >> 「1.4.1 欧文組版から見た日本語組版の特徴」の下の部分に対し、山本さんが >> コ メントをくださっています。面白い話題なのでここで質問を。 >> >> 元のテキスト: >>> これは金属活字より続く印刷の特徴(例)であるが、固定幅で字を書く伝統 >>> は 遠く古代中国や日本の手書きの時代からフォーマルな文書に見られ >>> (例)、 脈々と続いてきた伝統でもある。 >> >> >> 山本さんのコメント: >>> 山本:「これは金属活字より続く印刷の特徴(例)であるが」とあります >>> が、 むしろ「これは鋳造金属活字を用いた西洋式の活版印刷術から継承され >>> てきた 文字設計の特徴」が正しいと思います。なぜなら、印刷技術は金属活 >>> 字に先行 して開発され、中国や韓国での金属活字の発明はグーテンベルクの >>> 発明に先行 するからです。 >> >> ここですが、「古活字版」を検索してみると、確かに嵯峨本のようなプロポー >> ショナルなものもありますが、明らかに等幅のものもありますので、西洋式の >> 活 版印刷術が等幅の始まり、とは言えないのではないでしょうか? >> >> e.g. >> https://www.morisawa.co.jp/culture/japanese-typesetting/04/ >> <https://www.morisawa.co.jp/culture/japanese-typesetting/04/> >> img_japanese-typesetting_21.jpg >> >> また、 >>> 山本: 「固定幅で字を書く伝統は遠く古代中国や日本の手書きの時代から >>> フォーマルな文書に見られ」とありますが、手書きの書の場合には文字字体 >>> の 幅は等しくはなりません(これは格子状のグリッドのガイドライン[専門 >>> 的に は方格鳥絲欄と呼ぶそうですが]を用いていない手書きの書において明 >>> らかで す)。方形の欄を用いたのは、字幅が揃わない文字を、一行あたりの >>> 文字数を 揃え、一定の間隔で、整然と配置することが目的であったと考えら >>> れるのでは ないでしょうか。そうであれば、ここは、 「方形の枠をガイド >>> として文字を 書く伝統は遠く古代中国や日本の手書きの時代からフォーマル >>> な文書にも見ら れ」とするのが良いのではないでしょうか。 >> >> ですが、以前「台頭」の話題で田嶋さんが送っていただいたリンクの例など、 >> 「科挙の答案」を画像検索してみると、枠なしで等幅進行です。下の例でも、 >> 特 に幅の大きい/小さい字が出てくるとそこで少々乱れますが、原則は等幅 >> 進行と いえましょう。 >> 科挙 模範解答 1.jpeg >> >> >> >> >> 元記事へのリンク >> https://github.com/w3c/jlreq-d/wiki/1.4-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E7%B5%84%E3%81%BF%E6%96%B9%E5%85%A5%E9%96%80 <https://github.com/w3c/jlreq-d/wiki/1.4-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E7%B5%84%E3%81%BF%E6%96%B9%E5%85%A5%E9%96%80> >> > -- Masaya KOBATAKE ================================= Consultant DynaComware Corporation --------------------------------- 8th Floor, Ichigokudan Bldg., 2-38 Kanda-Jimbocho, Chiyoda-ku, Tokyo, Japan Zip Code: 101-0051 --------------------------------- Phone: 81+3-3556-6591 --------------------------------- http://www.dynacw.co.jp =================================
Received on Sunday, 8 October 2023 23:38:30 UTC