Re: 全角の歴史(嵯峨本の組版)

みなさん、

以下で触れている元資料を確認したのでお伝えします。

『活字印刷の文化史 キリシタン版・古活字版から新常用漢字表まで』
張秀明・大内田貞郎・豊島正之他共著 勉誠出版 2009(平成21)年刊

嵯峨本「伊勢物語」の活字と組版 鈴木宏光 (同書105ページ)

参考まで。

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小畠正彌

On 2023/10/04 15:37, Masaya Kobatake wrote:
> 横から一言。
> 
> 嵯峨本の木活字も全角ベースだったと思います。
> 二文字、三文字を繋げた連綿の木活字も全角の二倍、あるいは三倍どりの大きさ 
> だった記憶があります。刷り版面の文字に沿って罫線を引いた図版で説明してい 
> るものがあったはずですが、今出先で元資料にあたることができません。
> 
> 山本太郎さん、小林敏さん、ご記憶ございませんか?
> 
> -- 
> 小畠正彌
> 
> On 2023/10/04 9:11, 木田泰夫 wrote:
>> 山本さん & all、
>>
>> 「1.4.1 欧文組版から見た日本語組版の特徴」の下の部分に対し、山本さんが 
>> コ メントをくださっています。面白い話題なのでここで質問を。
>>
>> 元のテキスト:
>>> これは金属活字より続く印刷の特徴(例)であるが、固定幅で字を書く伝統 
>>> は 遠く古代中国や日本の手書きの時代からフォーマルな文書に見られ 
>>> (例)、 脈々と続いてきた伝統でもある。
>>
>>
>> 山本さんのコメント:
>>> 山本:「これは金属活字より続く印刷の特徴(例)であるが」とあります 
>>> が、 むしろ「これは鋳造金属活字を用いた西洋式の活版印刷術から継承され 
>>> てきた 文字設計の特徴」が正しいと思います。なぜなら、印刷技術は金属活 
>>> 字に先行 して開発され、中国や韓国での金属活字の発明はグーテンベルクの 
>>> 発明に先行 するからです。
>>
>> ここですが、「古活字版」を検索してみると、確かに嵯峨本のようなプロポー 
>> ショナルなものもありますが、明らかに等幅のものもありますので、西洋式の 
>> 活 版印刷術が等幅の始まり、とは言えないのではないでしょうか?
>>
>> e.g.
>> https://www.morisawa.co.jp/culture/japanese-typesetting/04/ 
>> <https://www.morisawa.co.jp/culture/japanese-typesetting/04/>
>> img_japanese-typesetting_21.jpg
>>
>> また、
>>> 山本: 「固定幅で字を書く伝統は遠く古代中国や日本の手書きの時代から 
>>> フォーマルな文書に見られ」とありますが、手書きの書の場合には文字字体 
>>> の 幅は等しくはなりません(これは格子状のグリッドのガイドライン[専門 
>>> 的に は方格鳥絲欄と呼ぶそうですが]を用いていない手書きの書において明 
>>> らかで す)。方形の欄を用いたのは、字幅が揃わない文字を、一行あたりの 
>>> 文字数を 揃え、一定の間隔で、整然と配置することが目的であったと考えら 
>>> れるのでは ないでしょうか。そうであれば、ここは、 「方形の枠をガイド 
>>> として文字を 書く伝統は遠く古代中国や日本の手書きの時代からフォーマル 
>>> な文書にも見ら れ」とするのが良いのではないでしょうか。
>>
>> ですが、以前「台頭」の話題で田嶋さんが送っていただいたリンクの例など、 
>> 「科挙の答案」を画像検索してみると、枠なしで等幅進行です。下の例でも、 
>> 特 に幅の大きい/小さい字が出てくるとそこで少々乱れますが、原則は等幅 
>> 進行と いえましょう。
>> 科挙 模範解答 1.jpeg
>>
>>
>>
>>
>> 元記事へのリンク
>> https://github.com/w3c/jlreq-d/wiki/1.4-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E7%B5%84%E3%81%BF%E6%96%B9%E5%85%A5%E9%96%80 <https://github.com/w3c/jlreq-d/wiki/1.4-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E7%B5%84%E3%81%BF%E6%96%B9%E5%85%A5%E9%96%80>
>>
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Masaya KOBATAKE
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Received on Sunday, 8 October 2023 23:38:30 UTC