Re: 行長は全角の整数倍であらねばならないか

木田泰夫 様

 小林 敏 です.

  木田泰夫 さんwrote

>敏先生、
>
>> なお,長体や平体の組版は、正方形の文字の組版と似ていますが,
>
>同じでないところはどのような点なんですか?

正方形が長方形になったということいだけが違っている.長方形の文字をベタ組で行に整数個ならべるという意味では同じ.


>> 例えば,横組で長体とした際には,句読点や括弧の前後のアキは二分とはいえません(平体では二分や四分といえる).例えば,80%(計算しやすいので)の長体の場合,句読点括弧類の字幅は文字サイズの40%となり,その前後のアキは文字サイズの40%ということになる.
>
>これは写植で光学的に正方形の文字を長体にしたような場合かと思いますが、デジタルではそのような変形は(印刷が目的であるソフトウェアを除くと)あまり行われておらず、最初から縦長、横長にデザインされたフォントを使います。それらの文字に対し、幅を正方形を仮定した場合の%で示すのはおそらく適切ではないと思います。それらのフォントを使った際の組版を記述しようとすると、字送り方向の幅、その二分の一、四分の一、などを簡潔に表す言葉が欲しくなります。いかがでしょう?

DTPなどでは,文字の変形で,正体に対するパーセントで指示し,組版している例があります.

文字ごとに字幅が異なるプロポーショナルな文字では,字幅は,アキなどの基準にならない.が,直前の文字を基準にするという発想はあり得る.この場合は,基準の字幅のパーセントということではないかな.

次に,一律の変形したフォントの字幅を基準にした際に,何か相対的な数値でいいたい,ということはあると思うが,その必要性は,どこまであるかなとも思います.そのような組版がどの程度あるか不明ですし,そのようにいう必要があるケースがどれくらいあるかも,よくわからない.その必要性の頻度があがり,その際に,いろいろな試行錯誤があり,必要なら,その用語が決まってくるのではないかな.(もし必要なら,字幅の何パーセントという言い方でも代用できる.)

Received on Friday, 6 October 2023 03:55:29 UTC