RE: 行長は全角の整数倍であらねばならないか

木田さん

まだ答えていなかった点について述べます。


  *   大きなサイズの文字の問題で、私がとても気になっていて、かつここで触れられていないので余計に :) 気になっていることがあります。それは、特にプレゼンなどで上の行と下の行の文字の開始位置がバラバラに見える問題。和文と欧文など異なる書体間はもちろん、同じ書体の和文間でも気になります。これは、書体をまたがったときに問題となる書体固有の左側の空きの問題、同じ書体の中の文字による違いの問題(カーニング的な問題)、の二つに分けられるように思います。


  *   考えてみれば、和文では矩形の中心に文字を置いてデザインするんですから、実際の行頭は仮想ボディの中に組み込まれたデフォルトの空きだけ右にずれるわけですよね。欧文ではどう処理されているんでしょう?

ベタで組む場合、上で述べられたことは原理的に不可避です。
例えば、次の二行からなる見出しのような場合に、ベタで組むと、当然、二行目の「り」は右側にへこんで見えます。

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なので、解決策は「詰め組」を行うしかありません。(1)’palt’を使って疑似的にプロポーショナルにするか、(2)行頭を含めてマニュアルのカーニングの機能を使ってマニュアルでスペーシングを調整します。

ここで、‘palt’が有効なのは、文字の両側のサイドベアリングが’palt’によって置換されるからです。「り」の場合、通常左右のサイドベアリングの両方が小さくなります。

欧文の場合は、すべての文字が(一部の罫表組用数字や通貨記号を除いて)プロポーショナルなので、通常の小文字が行頭に来る場合には問題が生じることは稀ですが、例外として、例えば、大文字の「T」のように文字の内部の左側の空白が大きい文字がパラグラフの行頭にくると、その行が右に寄って見えてしまいます。二行目が小文字で始まることが多いので、これは目立ちます。これを改善する方法としては、(1)自動的に行頭文字の開始位置の補正を行う機能を用いる。InDesignでは「オプティカルマージン揃え」の機能がこれに相当します。(2)マニュアルで先頭の文字の開始位置をマニュアルのカーニングの機能を用いて左にずらす。という方法が考えられます。

山本

Received on Wednesday, 4 October 2023 08:03:37 UTC