Re: Webでの図版配置の問題点

敏先生、

Webの場合、書籍・雑誌の区別がはっきりとあるのは印刷の書籍や雑誌を移してきたものが主で、本来のWebではどちらともつかない、もしくはどちらでもないものが多いように感じます。ただ確かに、文字を主体としたもの、ビジュアルを主体としたもの、の傾向はありますね。書籍的と比べると、Webではビジュアルがより重要に、つまり全体がより雑誌的になっている、と言えるかもしれません。
https://www.apple.com/jp/ipad-10.9/

https://www.renaultgroup.com/en/news-on-air/top-stories-2/melanie-and-harmony-share-their-experience-competing-in-this-years-4l-trophy-rally-in-a-renault-4/

https://www.linn.co.uk/new-klimax-dsm

https://courrier.jp/news/archives/304617/

https://www.topgear.com/car-reviews/bentayga/bentayga-estate-2020/first-drive

https://www.wired.com/story/itu-2022-vote-russia-china-open-internet/

https://www.nytimes.com <https://www.nytimes.com/>

日本語
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN310D30R31C22A0000000/

https://www.asahi.com/articles/ASQB04D1ZQBZUHBI03W.html?iref=comtop_7_01

https://note.com/

https://note.com/hashtag/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%AB?f=popular



その中で、図版をどのように配置するか、の多くの要素は、それぞれのサイトの目的、流行り、見ているデバイスの画面の縦横などが複雑に関係して来ますので、何が望ましいかの多くは主にデザインの領分になるように思います。

縦書きにおいて、もしくは日本語において、どのような自由度が必要、つまり仕組みとして用意されるのが望ましいのか。また、その自由度の中で共通に望ましいこと、特に日本語の組版において望ましいことがあれば、触れる価値があると思います。

例えば、縦書きの中でのキャプションは、横の場合、縦の場合、両方ある、と言うべきかもしれません。

> 回り込みを行うテキストの行長は,使用する文字サイズの整数倍にしないといけない.

これはWebではどうなんでしょうね。版面設計ありきではないので、使用する全角の大きさ、という概念がそもそもありません。

いや、それは気にするべきであって、図が例えば上下を走る文字の全角の整数倍でない場合は半端の部分が左右均等になるのが望ましいとか、例えば何かそのように言うべきな可能性もあると思います。この辺り、書籍などでの伝統のどの部分をWebにも適用すべきなのか、手探りで進むしかないのかもしれません。ここが難しいところですね。

> 4 本文とテキストの位置関係
…
> 縦組:上そろえ,やや字下げを行う例が多い.
> 横組:左右中央が多い.
> つまり,縦組と横組で異なってくる.


これは規格化の際のデフォルト値、またWebをデザインする人の知識としても、有用そうです。

> 5 図版の字詰め方向のサイズが大きい図の処理

例えば横書きで、横に長い図をスクロールするボックスに入れる、ということは可能でしょうけれど、見たことがないです。横に長い表がそのように処理してある例は時々見ます。90度回転は、そうすること自体が意図的なデザインである場合を除いてまずないでしょう。

> 6 図版のサイズ

これは本当にさまざまですし、同じサイトでもそれを見る画面のサイズや縦横比によって変わってきます。

> 7 図版をポップアアップで表示,別ウィンドウで表示
図版が本文で示されずに、リンクだけあって、ポップアップとなっている例はあまり見ませんが、本文に図があって、クリックしたらそれがより大きく、例えば画面全体に表示されると言うような例はよく見ます。


図版とは離れますが、上の日本語のサイトを見ていて気になったのは、パラグラフのスタイルが混乱している印象を受けたことです。字下げ方式、字下げせずに一行開ける方式、は確立されている二つのスタイルかと思いますが、それに加えて字下げしつつかつ一行開けるような例や、もはやどこがパラグラフがわからなくなっているような例も見かけました(とは言え、書籍でも会話文が入ると(私には)パラグラフ区切りがわからなくなります)。この辺り、整理できると良いですね。

木田


> 2022/10/31 14:00、Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>のメール:
> 
> 木田 様
> みなさま
> 
>  小林 敏 です.
> 
> Webにおける図版配置処理の問題について,いくつか考えてみました.
> 
> 図版の配置(表組の配置も似ている)では,以下の2つに大きく分けて考えるとよいでしょう.ここでは主にBについて考えることにする.
> 
> A ビジュアルな雑誌のように,図版が主となる.
> B 書籍の中にいくつかの図版が挿入される.
> 
> Aの場合,印刷する雑誌ではレイアウト用紙に詳細な配置の設計図を作成して指示するのが一般的である.これに対してBは,図版配置の原則的な方針を示し,実際の配置位置は,組版の作業者にまかされ,決まっていく.原則的の指示とは,たとえな以下のように行う.
> 
> 縦組:天・小口寄りに配置,説明の本文の先に図版を配置するのは避けたいが,すこし前に配置することは許容.図版の下部には文字の配置(回り込み)を行う.ただし,10字以下では回り込みはしないで,空けておく.
> 
> 横組:説明のあるテキストの段落の直後に配置する(ページの途中では,段落の途中には配置しない.これで図版配置ができない場合,ページの下端または次ページの先頭に配置.図版は左右中央に配置し,回り込みはしない.
>  
> Aの場合,固定レイアウト(例えばPDFにする),図版と説明を一体に扱い,そのブロック同士の関係を設定する,複数の配置領域を設定し,図版配置をある特定な慮域に配置,などといった方法が考えられよう.
> 
> Bの場合,以下のような問題が考えられる.
> 
> 1 図版の回り込みを行うか? 書籍では縦組では回り込みを行う例が多いが,横組では少ない.
> デフォルトは,回り込みを行わないということでよいのではないか.
> 回り込みを行う場合,どう設定するのか,図版の配置位置(字詰め方向の先頭または末尾),図版とテキストのアキ,回り込みを行うテキストの行長は,使用する文字サイズの整数倍にしないといけない.
> 
> 2 キャプションは,どの位置が望ましいのか?
> 縦組では,縦組にするか,横組にするか,図版の前か後ろか(上ヵ下か).
> 横組では,一般に図版の下だが,上にする例もある.
> その他,キャプションの配置処理では,いくつか注意したい事項がある.
> *最近は少なくなったが,横組で左右中央に図版を配置する場合,図版の横にキャプションを配置する方法もある.
> 
> 3 キャプションの字詰め
> 一般的には,図版のサイズとそろえる,あるいは,すこし図版のサイズより小さくするという例が多い.しかし,横組で左右中央にする場合など,キャプションの行長は,必ずしも図版のサイズや本文の行長に揃えないで,適当な(適切な)行長にしている.この設定はどうするのか?
> 
> 4 本文とテキストの位置関係
> 回り込みを行わない際には,段落間に配置すればよい.
> 回り込みを行わない際の字詰め方向の配置位置は,一般には以下
> 縦組:上そろえ,やや字下げを行う例が多い.
> 横組:左右中央が多い.
> つまり,縦組と横組で異なってくる.
> 
> 5 図版の字詰め方向のサイズが大きい図の処理
> 紙に印刷する場合,縦組では図版を右に90度回転,横組では図版を左に90度回転させて配置する方法がある.これはWebでありか?
> 
> 6 図版のサイズ
> 図版のサイズは,紙に印刷する際には,指定されるので,サイズの変更は一般に考えられない.Webではどうか,図版サイズが大きい場合など,サイズを変更してよいのか(テキストとの相対的なサイズという意味です)?
> 
> 7 図版をポップアアップで表示,別ウィンドウで表示
> これは,どう考えればいいのか.図版サイズが大きい場合には別ウィンドウという方法はよいだろうが,一般的には,本文と対照して読みたいという例が多いので,私はあまり望ましいとは考えてはいない.

Received on Monday, 31 October 2022 07:25:51 UTC