- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Tue, 09 Nov 2021 09:42:32 +0900
- To: public-i18n-japanese@w3.org
下農 様 みなさま 小林 敏 です. "Atsushi Shimono (W3C Team)" さんwrote >> なぜ句読点や括弧をルビに含めると問題かというと,ルビの先頭の末尾にある句読 >> 点などの前後のアキをどうするか,また,途中にある場合には,ルビの字間を空け >> る場合にどうするかを決めないといけないからです.句読点などアキがあるので, >> 字間を空ける際に,そこは空けないという考え方と,いや空けるのだという考え方 >> があります.字か語と考えれば,ルビの範囲外となります.私は,範囲外,やりた >> ければ行間注だと考えたい. > > ここら辺、行間注の文章についてのいただいた更新で多少はカバーされているとい >う理解ですが、、それで大 >丈夫でしょうか? 解決にならないかもしれませんが,ルビを付ける対象の親文字は単語であり,その読みまたは言い換えを補うのがルビで表現できる範囲なんだよ,日本語のルビもそのように使用され,使われてきたんだよ,ということです.それは注記で示していますが,…… ただ,活字組版では,そもそも使用できるルビ文字の種類に制限があり,漢字や句読点などは活字として準備されてこなかったので,やろうとしてもできなかった(漢字をルビ的につける振り漢字というものはあった,文字サイズは9ポの本文に6ポの漢字を使った).それが今では,いくらでも小さい文字が使用できるので,漢字でも句読点でもいくらでも使用できる.となると,ルビの機能を拡張して,なんでもやろうとなる.これを防ぐ方法はないので,注記でいったからといって解決にはならない. まあ,気休めみたいなもんでしょう.ですから下農さんの心配は解決できません.あそこに書いたので,やる方が悪いんで,どうなっても知らないよう,というしかないでしょう. 一方では,“行間注”という処理法を考え,その機能を追加することでも,この問題は解決されるかもしれません.というのも,ルビに比べ,“行間注”の方が自由度もありますので,そっちでやった方が,はるかにいいよ,となるからです. 問題は,“行間注”なんかでやらなくても,ポップアップでやれば,“行間注”はいらない,という意見が出る可能性があります. これについては,注というものは不思議なもので,ごく近くで,すぐ参照したい,すぐ見たい,遠いところ(本でいえば巻末)で参照しにくいといい,ポップアップでもいちいちカーソルを移動させるのも面倒である,といい,一方,近くにあればあったで見にくい,といい,いくらでも文句は付けられのです.(私は,よく新聞のデータベースを使うのですが,この場合は,カーソルの位置の関係で,よくポップアップが表示される.で,新聞のデータベースでのポップアップの注記は,多くが余分なもの,邪魔でしょうがないという印象をもっています.ですから,ポップアップも万能ではありません.) また,注記はあってもなくてもいいような注記もあれば,ぜひ参照してほしい,という注記もある.出典も,著作権法の条件を解決さするために付けるものもあれば(見る必要なし),なんという本かな,できれば読みたいな,と思うものもある(これは見たい). ということで,結論としては,とりあえず大丈夫ということでしょう.
Received on Tuesday, 9 November 2021 00:43:11 UTC