- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Mon, 04 Oct 2021 16:06:52 +0900
- To: Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com>
- Cc: JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
Taro Yamamoto 様 小林 敏 です. くわしい説明,ありがとうございます. そうか,必ずしも1/18が正解とも思わないが,もともとの設計が1/18だったので,苦労したんですね. Taro Yamamoto さんwrote >残念ながら、16級で印字した場合でも、根本的な問題がありました。 > >上で書かれているように、日本の写植文字盤の欧文が全角の1/16が最小の字送り量だ >ったため、多くの活字鋳植機用の欧文書体が1/18で設計されていたことと、食い違っ >ていたことです。これは、文字のデザインを修正し、全体の大きさも調整しなければ、 >解決できませんが、1/18 -> 1/16なので、字幅の解像度が粗くなってしまうという避 >けられない問題がありました。セリフのある書体の場合であれば、(極端なケースで >等幅のタイプライター書体で行われているように)セリフの長さを微妙に変えたり、 >「O」や「G」などのカウンタースペースをもつ文字の字形を微妙に調整することで、 >字幅の不一致の問題を分かりにくくすることは可能でしたが、セリフのないサンセリ >フ書体の場合、例えば、「i」、「l」、「I」などの文字では字形の調整が不可能なた >め、全体の大きさで調整するしかなくなりますが、他の文字とのバランスも考慮しな >ければならないため、なかなか最適化することは困難です。 > >他方で、1970–80年代の欧文専用のコンピュータ化されたシステムでは、1/18の3倍以 >上の字幅の精度(例えば1/54、1/432、現在では1/1,000や1/2,048)を持っていました >が、これは、光学的写植やアウトラインフォントのもう一つの問題点、つまり活字と >違って、一つのマスターのデザインから、光学的あるいは電子的に、拡大・縮小する >ことで、幅広い範囲の文字サイズでの印字を可能にしていることに起因するスペーシ >ング上の欠点(印字サイズによって詰まり過ぎたり空き過ぎたりする)を、一律にス >ペーシングやトラッキング(つまりテキスト全体をほんの少しだけ詰めたり、空けた >り)することで、緩和する意図があったと思います。(もちろんアウトラインフォン >トが使われるようになって以後も、システムによっては、サイズごとに異なるマス >ターフォントを持っているものもありましたし、現在のデジタルフォントでも、主な >利用サイズのレンジ[キャプション、本文、見出しなど]ごとにフォントを別に用意 >している欧文フォントも多数ありますが。) > >参考まで > >山本
Received on Monday, 4 October 2021 07:07:48 UTC