RE: ルビでこんな実験が

小林様、

コメントいただきありがとうございます。

> ここでの見本ほどは離れていませんが,最近は,紙の書籍でも,親文字とルビの間が空いた例があります.最近は,行間が狭くなる傾向があり(これは私のような老人にはつらい),親文字とルビの間のアキは気になります.親文字との一体感が欠けるように思います. 

やはり、小林様もそのように思われているということは、ルビを親文字から遊離させるおかしな組み方が流行りつつあるのでしょうか。困ったものです。ルビはあくまで親文字の注記なのですから、離れてしまったら困ります。不必要に行間まで広げないといけなくなることを危惧します。

> ついでにいえば,最近の書籍の行間は,詰めすぎのように思います.(たぶん,今は組版代よりは用紙の費用や印刷費の原価での比重が高く,できるだけページ数を減らそうということかと推測しています.)

コンピュータ画面上の表示で行間が狭いのは、おそらく1970–80年代のCRTのキャラクターディスプレイの時代に、漢字のグリフの占める領域が全角ボディの88–95%なのに対して、欧文は40–65%程度しか平均して占めないという事実を無視して、80文字 x 25行の画面が主流になったことに起因しているように推測します。それがwebに伝染し、さらに印刷物に逆輸入されたのかもしれません。伝統的な書体の場合は88–92%ほどを漢字のグリフが占めると推測しますが、その場合でも、普通の本文のボディサイズ、通常の行長であれば、二分四分の行間空きは必要と考えます。(現代的な字面の大きな書体では行間全角空きが必要になるでしょう。)仰られたように、最近、本文で二分しか空けていない書籍もあるようですが、びっくりです。横組みなら許容される場合もあるかもしれませんが、縦組みでは行長が長くなるので、行間を狭くすると途端に読みにくくなります。

悪い傾向が蔓延するようになると、困ったものだと思います。

山本
アドビ

Received on Friday, 23 July 2021 17:08:26 UTC