- From: MURATA <eb2mmrt@gmail.com>
- Date: Mon, 12 Apr 2021 17:19:36 +0900
- To: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Cc: W3C JLReq TF <public-i18n-japanese@w3.org>
- Message-ID: <CALvn5EALmWy=WGo7hv54CovQNSzJvaV3A_u6WsGGyePNncz2=w@mail.gmail.com>
敏先生、 ありがとうございます。 >ルビと行間注は,行間に文字を配置するという点では似ていますが,内容も組版 処理の方法も異なります.したがって,別処理が望ましいでしょう. これが正しく伝わると、こういう反応が返ってくると 予想します。 HTMLには頭注、傍注、脚注を入れていないのに、なぜ 行間注だけ入れないといけないのか? 村田 真 2021年4月12日(月) 13:46 Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>: > 村田 様 > > 小林 敏 です. > > ルビと行間注は,行間に文字を配置するという点では似ていますが,内容も組版 > 処理の方法も異なります.したがって,別処理が望ましいでしょう. > > ルビは,親文字列としては,原則として単語です.ルビ文字列も原則として単語 > 相当です.これに対し,行間注は,親文字列としては,単語と限られるわけでは > ありません.単語もあれば,文もあります.さらには段落全体が親文字列となる > 可能性があります(注の対象とする文字列を考えた場合).ですので,ルビでは, > 必ず1文字以上の文字列(しかも,ある程度長さも限られている)が親文字列と > なります.これに対し,行間注の場合は,1文字以上の複数の文字列を親文字と > して指定される場合もありますが,一般に,その文字列の先頭又は末尾だけがわ > かればよい場合も多いのです. > > また,ルビの文字列の字数は,それほど多くなることはないのに対し,行間注で > はかなりの字数を必要とする場合もあります(1行の行長を超える場合もありえ > る). > > したがって,配置処理もルビと行間注では異なります.ルビでは,親文字列とル > ビ文字列の全長を揃える方が望ましい場合が多いのですが,行間注では,その必 > 要性も少ないし,また,親文字列と行間注の文字数が極端に異なるケースも発生 > し,原則として,親文字列も行間注もベタ組を原則とすればよいのです. > > さらに配置位置は,ルビでは,原則としてルビ文字列と親文字列の中心を揃えれ > ばよい(もちろん,これ以外の配置があってもよいが),それに対し,行間注で > は,親文字列と中心を揃える方法以外に,それぞれの先頭を揃える,あるいは末 > 尾を揃える方法も選択できることが望ましいでしょう. > > これに加えて,行間注では,行間注の文字列について,行を超えて配置する方法 > (基本的には,配置位置の原則にしたがって,両側,先頭側,末尾側に伸ばして > いけばよい)の規定が必要になります. > > マークアップについては私は意見をいう立場にはありませんが,前述したように > 行間注では位置だけがわかればよいので,親文字列を示す方法で,文字列の末尾 > または先頭という位置だけを示す(いってみれば注の合印を置く位置)ことが可 > 能になっている必要があるかと思います. > > 以上です > > MURATA さんwrote > > >日本DAISY Consoritumの技術委員会委員長として書きます。 > > > >現在、ruby要素を使って書かれる情報には、フリガナ > >の場合と、行間注の場合があります。読みあげのとき、 > >フリガナの場合は一度だけ読んでほしいのですが、 > >行間注のときはrbもrtも読んでほしい。なお、現在の > >実装は無条件に二度読みするものがほとんどです。 > > > >JDC技術委員会としては、両者をマークアップで区別すべ > >きという意見を持つ人がほとんどでした。具体的に > >どんなマークアップにするかまでは議論していません。 > > > >JLREQ TFのご意見をお聞かせいただければ幸いです。 > > -- > >慶應義塾大学政策・メディア研究科特任教授 > >村田 真 > -- -- 慶應義塾大学政策・メディア研究科特任教授 村田 真
Received on Monday, 12 April 2021 08:20:26 UTC