- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Mon, 12 Apr 2021 13:43:30 +0900
- To: MURATA <eb2mmrt@gmail.com>, W3C JLReq TF <public-i18n-japanese@w3.org>
村田 様 小林 敏 です. ルビと行間注は,行間に文字を配置するという点では似ていますが,内容も組版 処理の方法も異なります.したがって,別処理が望ましいでしょう. ルビは,親文字列としては,原則として単語です.ルビ文字列も原則として単語 相当です.これに対し,行間注は,親文字列としては,単語と限られるわけでは ありません.単語もあれば,文もあります.さらには段落全体が親文字列となる 可能性があります(注の対象とする文字列を考えた場合).ですので,ルビでは, 必ず1文字以上の文字列(しかも,ある程度長さも限られている)が親文字列と なります.これに対し,行間注の場合は,1文字以上の複数の文字列を親文字と して指定される場合もありますが,一般に,その文字列の先頭又は末尾だけがわ かればよい場合も多いのです. また,ルビの文字列の字数は,それほど多くなることはないのに対し,行間注で はかなりの字数を必要とする場合もあります(1行の行長を超える場合もありえ る). したがって,配置処理もルビと行間注では異なります.ルビでは,親文字列とル ビ文字列の全長を揃える方が望ましい場合が多いのですが,行間注では,その必 要性も少ないし,また,親文字列と行間注の文字数が極端に異なるケースも発生 し,原則として,親文字列も行間注もベタ組を原則とすればよいのです. さらに配置位置は,ルビでは,原則としてルビ文字列と親文字列の中心を揃えれ ばよい(もちろん,これ以外の配置があってもよいが),それに対し,行間注で は,親文字列と中心を揃える方法以外に,それぞれの先頭を揃える,あるいは末 尾を揃える方法も選択できることが望ましいでしょう. これに加えて,行間注では,行間注の文字列について,行を超えて配置する方法 (基本的には,配置位置の原則にしたがって,両側,先頭側,末尾側に伸ばして いけばよい)の規定が必要になります. マークアップについては私は意見をいう立場にはありませんが,前述したように 行間注では位置だけがわかればよいので,親文字列を示す方法で,文字列の末尾 または先頭という位置だけを示す(いってみれば注の合印を置く位置)ことが可 能になっている必要があるかと思います. 以上です MURATA さんwrote >日本DAISY Consoritumの技術委員会委員長として書きます。 > >現在、ruby要素を使って書かれる情報には、フリガナ >の場合と、行間注の場合があります。読みあげのとき、 >フリガナの場合は一度だけ読んでほしいのですが、 >行間注のときはrbもrtも読んでほしい。なお、現在の >実装は無条件に二度読みするものがほとんどです。 > >JDC技術委員会としては、両者をマークアップで区別すべ >きという意見を持つ人がほとんどでした。具体的に >どんなマークアップにするかまでは議論していません。 > >JLREQ TFのご意見をお聞かせいただければ幸いです。 > -- >慶應義塾大学政策・メディア研究科特任教授 >村田 真
Received on Monday, 12 April 2021 04:46:48 UTC