Re: ルビと行間注の違い

村田 様
みなさな

   小林敏です

Placement of Japanese Rubyを直す機会があれば,JLReqの行間
注の例示への参照を付けましょう.

次のルビと行間注ですが,おっしゃるように,その境界はあいまい
です.文書作成者(または指定者)の指示によるしかないかと思っ
ています.(似た事例として,ルビ処理では,複合語の場合,全体
を1つの熟語ルビの親文字とするか,複合語を構成する各語を1つの
親文字とするかは,対象の語句から決まることではなく,文書作成
者(または指定者)の指定によるしかありません.例えば,東京都
と言った場合,“東京都(とうきようと)”とするか,“東京(とうき
よう)”+“都(と)”とするかは,文書作成者(または指定者)が決
めるしかありません。)

行間注は,ある意味なんでもありかと思います.それに対し,ルビ
は必ず親文字が1字以上あり,また,語です(複合語を含め).ル
ビ文字列は,まとまりとなったものについては分割禁止です.

これに対し,行間注は,親文字がなく,対応する位置だけでもよい
し,語句でも,文でも,段落全体でもかまいません.行間注は,親
文字列も行間注文字列も,分割可能位置では分割が可能にしないと
処理できません.配置上の問題としては,原則として行間注はベタ
組であり,配置位置も,ルビとは異なり,親文字に対し,先頭を合
わせてもよいし,末尾を合わせてもよいし,中心をそろえてもよ
い,という選択肢は必要になるかと思います.親文字からのはみ出
しも,他の文字に掛かることは許容しないといけないでしょう.

なお,考え方としては,ルビ処理と行間注を含めた処理法を記述
し,そのなかで,部分を考え(モノルビ,グループルビ,熟語ル
ビ,……),その部分の処理法を規定するということも考えれるか
と思います.

問題は,行間注まで含めた処理を方法を記述することは,それなり
に大変であり,複雑になります.ですので,まずは行間注は除外
し,ルビ処理だでを書くということで進めていくしかないのではな
いか,ということです.

なお,行間注の配置処理方法については,以前に書いたものがあっ
たかと思います.

以上です.

MURATA Makoto さん wrote

> 皆さん、
> 
> ルビとは何で、行間注とは何か、両者の境界は
> なにかをはっきりさせる必要があると思います。
> 
> https://github.com/w3c/simple-ruby/issues/42
> 
> 小林先生が、以前にこう書いています。
> 
>     冒頭近く"Ruby as notes"という注があります.
>     ここで説明している行間注については,JLReqの
>     "4.2.2 Note Numbers"の直前に行間注の例(図)を
>     掲げていますので,可能であればで結構ですが,
>      参照を付けていただけると,ありがたい.
> 
> この例では、「徳川家康」について、「1837-1913 江戸幕府最後の
> 将軍」が行間注となっています。では、 「1837-1913」とだけつける
> と、行間注でしょうか、ルビでしょうか。そして、Rules for Simple
> Placement of Japanese Rubyがカバーする範囲でしょうか?
> 
> ほかに、帝釈にインドラと振ったら、ルビでしょうか、
> 行間注でしょうか。日本デイジーコンソーシアム
> の技術委員会でまとめた例がここにあります。
> 
> https://onedrive.live.com/Edit.aspx?resid=4106E423DCEF597E!41864&wdPid=2e60c9ec&authkey=!AGh8d3MrAlsP2bk
> 
> これはWord文書です。Webで見るのではなく、ダウンロード
> してみてください。
> 
> 慶應義塾大学
> 村田 真

Received on Wednesday, 29 July 2020 05:21:13 UTC