- From: KOBAYASHI Tatsuo(FAMILY Given) <tlk@kobysh.com>
- Date: Wed, 29 Jul 2020 16:49:30 +0900
- To: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Cc: MURATA Makoto <eb2m-mrt@asahi-net.or.jp>, W3C JLReq TF <public-i18n-japanese@w3.org>
- Message-ID: <CAHKerJuwvyQ7K7Y7aF_m4QaeXfi1Z7d97X97S9+0dG91X2Ktkg@mail.gmail.com>
小林龍生です。 とうとう、泥沼に踏み込みましたね。というか、この先に進むには、避けて通れないからなあ。 私見ですが、この問題を解決するためには、現在のルビタグを捨てて、機能論的(意味構造的)タグと、表現としての行間注釈とを切り分けて考えなければ、先に進めないように思います。 この問題は、約物の扱いも似ています。 要は、ルビとは、行間に組み込む約5.5ポイントの活字(それも従来は小書きの仮名を持たない仮名だけのセット)以上でも以下でもなく、それがどのような機能を果たすかは、文脈に置かれなければ定まらないということ。 かつてのメカニカルなタイプライターがsingle quotationとapostoropy、angle bracketとgrater thanやsmaller thanを共有していたのと似たような話。 構造化文書屋さんには、この辺りの問題、果敢に切り込んでいって欲しいなあ。 ちなみに、ルビの多義性と多様性については、今野真二さんの「振り仮名の歴史」(集英社新書)がよくまとまっていると思います。 2020年7月29日(水) 14:21 Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>: > 村田 様 > みなさな > > 小林敏です > > Placement of Japanese Rubyを直す機会があれば,JLReqの行間 > 注の例示への参照を付けましょう. > > 次のルビと行間注ですが,おっしゃるように,その境界はあいまい > です.文書作成者(または指定者)の指示によるしかないかと思っ > ています.(似た事例として,ルビ処理では,複合語の場合,全体 > を1つの熟語ルビの親文字とするか,複合語を構成する各語を1つの > 親文字とするかは,対象の語句から決まることではなく,文書作成 > 者(または指定者)の指定によるしかありません.例えば,東京都 > と言った場合,“東京都(とうきようと)”とするか,“東京(とうき > よう)”+“都(と)”とするかは,文書作成者(または指定者)が決 > めるしかありません。) > > 行間注は,ある意味なんでもありかと思います.それに対し,ルビ > は必ず親文字が1字以上あり,また,語です(複合語を含め).ル > ビ文字列は,まとまりとなったものについては分割禁止です. > > これに対し,行間注は,親文字がなく,対応する位置だけでもよい > し,語句でも,文でも,段落全体でもかまいません.行間注は,親 > 文字列も行間注文字列も,分割可能位置では分割が可能にしないと > 処理できません.配置上の問題としては,原則として行間注はベタ > 組であり,配置位置も,ルビとは異なり,親文字に対し,先頭を合 > わせてもよいし,末尾を合わせてもよいし,中心をそろえてもよ > い,という選択肢は必要になるかと思います.親文字からのはみ出 > しも,他の文字に掛かることは許容しないといけないでしょう. > > なお,考え方としては,ルビ処理と行間注を含めた処理法を記述 > し,そのなかで,部分を考え(モノルビ,グループルビ,熟語ル > ビ,……),その部分の処理法を規定するということも考えれるか > と思います. > > 問題は,行間注まで含めた処理を方法を記述することは,それなり > に大変であり,複雑になります.ですので,まずは行間注は除外 > し,ルビ処理だでを書くということで進めていくしかないのではな > いか,ということです. > > なお,行間注の配置処理方法については,以前に書いたものがあっ > たかと思います. > > 以上です. > > MURATA Makoto さん wrote > > > 皆さん、 > > > > ルビとは何で、行間注とは何か、両者の境界は > > なにかをはっきりさせる必要があると思います。 > > > > https://github.com/w3c/simple-ruby/issues/42 > > > > 小林先生が、以前にこう書いています。 > > > > 冒頭近く"Ruby as notes"という注があります. > > ここで説明している行間注については,JLReqの > > "4.2.2 Note Numbers"の直前に行間注の例(図)を > > 掲げていますので,可能であればで結構ですが, > > 参照を付けていただけると,ありがたい. > > > > この例では、「徳川家康」について、「1837-1913 江戸幕府最後の > > 将軍」が行間注となっています。では、 「1837-1913」とだけつける > > と、行間注でしょうか、ルビでしょうか。そして、Rules for Simple > > Placement of Japanese Rubyがカバーする範囲でしょうか? > > > > ほかに、帝釈にインドラと振ったら、ルビでしょうか、 > > 行間注でしょうか。日本デイジーコンソーシアム > > の技術委員会でまとめた例がここにあります。 > > > > > https://onedrive.live.com/Edit.aspx?resid=4106E423DCEF597E!41864&wdPid=2e60c9ec&authkey=!AGh8d3MrAlsP2bk > > > > これはWord文書です。Webで見るのではなく、ダウンロード > > してみてください。 > > > > 慶應義塾大学 > > 村田 真 > > > -- KOBAYASHI Tatsuo(小林龍生) Scholex Co., Ltd. Yokohama homepage) http://kobysh.com/ <http://www.kobysh.com/tlk/>
Received on Wednesday, 29 July 2020 07:49:55 UTC