Re: [jlreq] 拗音・促音・長音の行頭配置 (#285)

>次に,編集・校正の参考として,それなりに普及していた“標準 校正必携”
>(現代ジャーナリズム出版会,1966年10月)では,以下のような記述があります.
>
>促音・拗音や長音(音引)などが行頭にくることを避けるために無理な調整をす
>る必要はない.

これを補足する説明が“エディター講座 校正技術 II 縦組校正編”(日本エ
ディタースクール出版部,1972年)に,以下のようにあります.

行頭の拗音・促音・長音 これらが行頭にきた場合,発音が割れて読みにくく,
体裁上もよくないので,従来,これらを避けるために調整を施していた.しかし,
出てくる数が多い場合,それを一々調整することは大変な作業であり,今日では
ある程度許容する方向にある.ただし,片かなの拗音については,今でもなるべ
く避けるのが普通である.

要するに作業が大変なので,許容しよう,しかし,平仮名はいいけど,片仮名は
いやだな,ということのようです.しかし,いったん許容が認められると,いつ
のまにか,片仮名も許容され,今では多くの出版物で,全ての小書きの仮名の行
頭配置は許容されているということのようです.

さらに補足しておくと,小書きの仮名は,小さいサイズの字面の活字はなく,本
文9ポイントに対し,6ポイントの仮名を使い,隙間はスペースで埋めていたとい
う時代もあったようです.ですから,小書き仮名はあまり使用されてこなかった
と思われる.それが1986年に告示された“現代仮名遣い”の前身である1946年の
告示の“現代かなづかい”で“拗音にあらわす や,ゆ,よ は,なるべく右下
に小さく書く”,促音をあらわす つ は,なるべく右下に小さく書く”という
ことにより,使用が増えたのではないかと考えています.


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