- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Tue, 09 Jul 2024 16:58:04 +0900
- To: 木田泰夫 <kida@mac.com>
- Cc: JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
木田泰夫 様 みなさま 小林 敏 です. 全角という用語の定義が問題となりましたが,その使用状況は,主に以下. 1 段落先頭行の行頭を全角下ガリ 2 分かち書きでは,単語又は文節の字間(語間)として全角アキ 1と2は,プロポーショナルな全角スペース(以下,“変”という)でよい.つまり“変”ということで矛盾なく,全角という用語は使用できる. ただし,ここの箇所では,プロポーショナルな場合,又は字詰め方向の字幅を一律に変更した場合は,全角スペースと同じアキを確保するという言い方にすれば,これまでの定義の“全角”という用語は使用できるし,誤解を与えることもない. 3 括弧や句読点の字幅は全角と考える. この3がむつかしい.プロポーショナルな場合,全角スペースと括弧の字幅が同じとは保証されない可能性がある.また,プロポーショナルな場合の括弧の連続はどうするの,という点では,共通理解はできていない.となれば,この約物の字幅と,その連続の問題は,あくまで文字の外枠が正方形の場合に限定するという説明を入れれば,よい,その場合,プロポーショナルな場合は,それなりに,他とのバランスをとり詰める必要があるよ,いうことだけ書いておくという方法もありえる. 4 連続した場合,その字間を二分だけ狭くする(二分詰める) これも3と同じ 約物の字幅と半角(字幅を二分)と考えた場合,その間は二分アキ これは,補足説明なので,そのように書くことは可能. 5 ラテン文字と和文文字の間は,四分アキ,八分アキ これは,プロポーショナルな場合は,“変”でよいが,全角スペースの幅の1/4,1/8という言い方もできる. 6 行間は,二分アキとする例がある.これは文字サイズの1/2という表現で代替できる. 何が言いたいかというと,新たな全角の定義はやめることもができる,ということ.そうなればJLReqの“正方形の文字の外枠をもっている文字”の定義も,jlreq-dでも利用できる.ただし,現在の私の原稿では,“正方形の文字の外枠をもっている文字”という意味では全角という用語は使用していない.すべて言い直している(あくまで“言い直しているつもり”). ただ,新たな定義をしない場合,5の問題が残るが,プロポーショナルな場合は,全角スペースの字幅の1/4又は1/8という言い方を付加すれば可能になる. どうも“全角幅”という言い方,“馬から落馬した”みたいな印象があり,ちょっといやだな,という感覚があり,5を考えると,“二分”,“四分”や“八分”も連動するので(二分は英語では“en”で,二分の定義が変われば,“en”の定義も変わる).英語の定義を変えたくなければ,“二分幅”,“四分幅”や“八分幅”といわないといけないと思うのです. 全角の定義を変えるというのはいいように思ったのですが,英語のemの定義を変えないということになれば新たに“全角幅”という用語を作ることになる.それはそれでいいのですが,ただ,新たな用語を作ることは,その理解を得るのにけっこう苦労する点もあるのも,少し気になります.
Received on Tuesday, 9 July 2024 08:03:24 UTC