- From: 木田泰夫 <kida@mac.com>
- Date: Tue, 6 Feb 2024 09:27:48 +0900
- To: tajima@sanyosha.co.jp
- Cc: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>, Yamamoto Taro <tyamamot@adobe.com>, Tatsuo KOBAYASHI <tlk@kobysh.com>, JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
敏先生、田嶋さん、考察をありがとうございます。 まとめてコメントをインラインで。 > 2024/02/02 9:41、tajima@sanyosha.co.jpのメール: > > みなさま > > デジタルで文字入力の誤りが増えるのは、画面で見ると校正がしにくいから校正の時には一度プリントするという意見が出版関係で聞かれるのと関連しているかもしれません。タブレット等を寝かせておいて見下ろし視点で見ると校正しやすいとの話も聞いたことがあります。姿勢の問題なのかも。 > 入力については現在ではPC上でのかな漢字変換以外にスマートフォンの入力時の予測変換の影響もありそうですね。 何故なんでしょうね。先ほどお送りした記事と、デジタルで見落としやすい、との点は関連がありますかね。 予測変換は、あるかもしれませんね。自分で「書いて・タイプして」いないものが入力されるんですもんね。前職において、私は最初日本語入力に予測変換を実装することに抵抗がありました。物事は低きに流れるのは世の中の常ですので、そんなこだわりは早晩捨てなくてはならなかったのですが。 >> 2024/02/01 19:57、Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>のメール: >> >> みなさま >> >> 小林 敏 です. >> >> 木田泰夫 さんwrote >> >>> より一般的なユーザーにとっては、そもそも、表示してくれたからって、数多あるダ >>> ッシュ類を、空白類を、また柿と杮の違いを、正しく選べる・選びたいかというと、 >>> そんなことないわけです。ゆえ、私はより広い解決策として、もっと透明で自動的な >>> アプローチを期待します。「書き手が間違えたら、間違ったものがそのまま伝わりま >>> す」ではない伝わり方。印刷の時代の校正・編集のような存在を取り戻す方向。 >>> >>> また同時に、文字列を利用する機能側ももっと賢く、文字列に間違いはないとの前提 >>> を捨てて、例えば検索なら間違いを許容するような検索ができるようになるべきでし >>> ょう。 >>> >>> 木田 >> >> 手で書くこととデジタルに書くことの違いが,決定的か,そうでないかは,判断が分かれるでしょう.ただ,その違いがいろいろの面で生じており,それについて,何が考えられるかを検討していく必要があるように思います. >> >> 1 文字の誤り >> これは,手で書くこととデジタルで書くことでは,いくつかの違い(傾向)がある. >> 例1:平仮名文字列の誤りは,デジタルで増えている(私の読書経験から) >> “されに,労働力の”→“さらに” “こえらは用途に” → “これら”(Rの押し忘れか) “たったこのれだけのもの” → “たったこれだけのもの”(最初は“この”で,“これ”に直したが“の”を残したか) >> *デジタルテキストでは,意外と平仮名文字列は,入力間違いが起こりやすく,また,点検でも読み飛ばす傾向があるのではないかな. 変換間違いに比べると目立ちませんが、ありますね。手で書くのと比べて一文字を入力する労力がかなり小さく、また語尾を変更するなど編集の手間も小さい、その時に、間違いが紛れ込むのかもしれませんね。 手で書くという労力を使って出来上がった手書き原稿を、プロの目で見ながら改めて入力するのとでは誤り率が違ってくるのかもしれません。 >> 例2 漢字に似た字形の誤りは,活版とはやや傾向が違う. >> 活版時代は,壁・璧・劈 とくに“完璧”を“完壁”は,よくいわれる,仮名漢字変換で入力すれば,ほとんど起こる可能性は少ない. >> 例3 “祟”と“崇”や“酒落臭え”と“洒落臭え”も少ないと思うが,現在でもあるので,程度問題かもしれない >> 例4 京都議定書が発行 → 発効 以外と簡単 →意外 >> *このたぐいは増えている 以外と意外、はとても気になります。他にもよく見る変換間違いはありますね。この辺り、どうすべきなんでしょうね。自分でタイプしたものをよく見る、以外にないのかな。 >> 2 デジタルテキストでは,入力が簡単でないので,代用される,または種類が多い >> 例 “—”と“-” >> デジタルテキストでは,混用が増えている.これは著者の入力データをそのまま使うからと思われる.(入力方法が簡単でない) >> 和文用と欧文用(数字,ラテン文字,句読点,括弧類など)の文字の使い分けは,手書き時代もあったが,文選又は入力が専門家であり,あまり間違いはなかった. この点は、これからの入力システムやテキストシステムが頑張らなくてはならないところだと思います。 >> 3 関係者の表記についての知識 >> 手で書くこととデジタルの違いでというよりは,表現がある意味で民主化され,誰でもが表現できるようになったからと思われる. >> これまでは,誤用または避けたいとされていた表記方法が変わってきている.これは如何ともしようがない.そして,ある意味で,その誤用または避けたいとされた方法が多くなれば,それが標準となるであろう. >> 2・5m →2.5 m 縦組では小数点は中点で,横組で,それを使う.これは認めたくない人は,現時点では多いか? 書く時には、縦書きと横書きで分けるのをもうやめようよ、と私は思います。 しかし、できた文書を縦書きに最適化する文書プロセッサは、もしそんなものが可能ならあってもいいですね。 >> 範囲を示す方法が“—”から“~”に変わった. >> 省略の“・・・”も,定着するかもしれない. >> 【】の使用が増えているのも,それかもしれない. >> *強調の方法の変化 >> >> 4 点検作業方法の変化 >> 手書きでは,原稿整理(編集)段階では,読みにくい又は区別しにく文字・記号には,赤字で指示を入れることも多かった.“㐧”と原稿に書いてあれば,たぶん,横に赤字で“第”と書きそえたでしょう.“–”も“二分”と,“—”も横に赤字で正方形を書いた. >> 校正も手書き時代は,1字1字を読む校正は欠かせないが,今は,それはないでしょう. >> デジタルテキストでは,校正支援機能が,それなりに利用できる環境になってきている. ここはもう、印刷とデジタルの機構の差ではなくて、それぞれが結果的に持っているワークフロー、手間の掛け方の違いの問題でしょうね。デジタルでの文書作成は印刷のワークフローよりかなり手間が少ないですが、粗製濫造、ではない、より良い環境がソフトウェアの力で達成できるようになると良いと思います。jlreq-d が助けになると良いと思います。 木田
Received on Tuesday, 6 February 2024 00:28:09 UTC