RE: 文字集合の独立性

各位、

常用漢字の「*」の付いている字体について、コメントします。



例えば,“淫”(面区点1-1692)という文字は,“ノ”の下の三点は,常用漢字表では,下に広がった字形ですが,“JIS X 0213”の例示字形では,上が広がった字形です.つまり,“JIS X 0213”では,上が広がった字形でも,下が広がった字形でも包摂されていると考えられます.



しかし,“常用漢字表”では,その違いは,デザイン差には例示されていなく,筆写の楷書字形と印刷字形の違いという項目で説明されている字形です.印刷字形として,上が広がった字形でも,いいとは,言っていないと思います.



『常用漢字表』の「表の見方及び使い方」の末尾に、「付 情報機器に搭載されている印刷文字字体の関係で、本表の通用字体とは異なる字体(中略)を使用することは差し支えない」という記述があります。これはJIS X 0208及びJIS X 0213の規格票の例示字形の変更の歴史的経緯とそれらが採用した包摂規準とに関連していると推測しますが、上で取り上げられている「*」の付いている字体の内、少なくとも現時点で例としてチェックした下記のJIS X 0213が包摂するJIS X 0213:2004の例示字形とそれ以前の規格票のバージョンの例示字形に対応する字体については、どちらの字体も、印刷字体としてJIS X 0213の包摂規準だけでなく常用漢字においても、上記の『常用漢字表』の「表の見方及び使い方」の末尾の「付」により許容されると考えられます。ただし、これはすべての「*」の付いている字体については当てはまらないと思いますが。また、下に示す11文字の例は、あくまで、このことがあてはまる文字の一部だけを例示したものですべてではありません。参考まで。

[テキスト  自動的に生成された説明]



山本太郎

Received on Tuesday, 18 June 2024 10:11:48 UTC