- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Sat, 01 Jun 2024 19:45:55 +0900
- To: JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
木田 様 みなさま 小林 敏 です. Kobayashi Toshi wrote >そして,常用漢字としての問題,表外漢字の字体の扱いという点では,印刷に限られた問題ではないと思います. > >以下のような例は,前の字体にするか,後ろの字体を使用するか,Webでも両方を見かけますので,Webで字体が複数ある例は結構あるように思います. > 常用漢字の例 曾・曽 瘦・痩 麵・麺 頰・頬 塡・填 葛・葛 > 表外漢字の例 摑・掴 噓・嘘 繫・繋 藪・薮 鶯・鴬 壺・壷 攪・撹 賤・賎 諫・諌 頸・頚 嚙・噛 瀆・涜 このことを別に表現するなら,以下のようになります. “常用漢字表”に従って(字種,字体,音訓)表現するとした場合,2010年までは,固有名詞を除外し,字体(字体を選択しないといけない)の“問題はない”といってもよいでしょう.(デザイン差という問題は残りますが,問題となるようなことは実際にもなかったと思います.) しかし,2010年の“常用漢字表”の改正以降は,字種が“常用漢字表”の範囲内であっても,どの字体を選択するかの問題は,紙版であろうが,Webであろうが,例として上に掲げた漢字を使う場合,どうするかの問題が出てくるということです. ましてや表外漢字を使用する場合は,2010年以前から,該当する漢字を使用すれば,字体を選択しないといけない問題は出てきたのです.ただ,書籍の場合は,過去のいきさつがあり,そうした問題を認識していたので,ことさら問題になった,ということでしょう(当然,問題としない出版社もあった).デジタルテキストの世界では,あまり,そのことを問題にする人がいなかったということだと思います. 例えば,木田さんの書かれた“2. 日本語デジタルテキストの作り方”(以前のバージョン)に,“繋げて”という文字が使用されていた.最終的に公開する際には,たぶん,“つなげて”か,“繫げて”の方がいいんじゃない,といったかもしれない,ということです. つまり,“常用漢字表”に含まれている漢字あるいは,表外漢字を使用する場合,使用する漢字によっては,字体の選択が必要となる漢字が出てくるよ,ということです. なお,私が書くなら,上に掲げた例でいえば,前に掲げた字体を使用すると思いますが,後ろの字体を使用することは否定はしません.それは,様々な事情はあるので,それはそれということかと思います(“常用漢字表”でも,言い方は別ですが,そのように言っています).
Received on Saturday, 1 June 2024 10:47:59 UTC