Re: 異体字の使用例

敏先生、

なるほど。おっしゃる通り、例えばjlreq-dの表記をJIS X 0213:2004や表外漢字字体表に合わせると決めた場合、繫 vs 繋のようにコードポイントが異なるゆえに注意すべき漢字がありますね。

JIS2004で字形の変わった文字のほとんどは同一コードポイントで、そちらはプラットフォームや見る人のフォントの設定で変わってしまうので、文書側でできることは中途半端でしかないんですが。とは言えほぼ全てのプラットフォームは今やJIS2004でしょうから、JIS2004に合わせるのが良いんでしょうかね。これは後処理で一気に変えられるので、jlreq-dをどうするかはおいおい考えれば良いと思います。

それとは別に、この問題をjlreq-dで説明するかどうかを決める必要がありますね。入れた方がいいのかな。私はいい加減なので、そんな統一にこだわらなくても、一つの文書の中で字形がバラバラでも、そんなに気にする必要もないのでは、と思ってしまいます。が、一応知識としては持ってもらう、んですかね。それを説明するとすると、異体字とはなんぞや、を説明する必要が出てきますね。

木田

> 2024/06/01 19:45、Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>のメール:
> 
> 木田 様
> みなさま
> 
>  小林 敏 です.
> 
>  Kobayashi Toshi wrote
> 
>> そして,常用漢字としての問題,表外漢字の字体の扱いという点では,印刷に限られた問題ではないと思います.
>> 
>> 以下のような例は,前の字体にするか,後ろの字体を使用するか,Webでも両方を見かけますので,Webで字体が複数ある例は結構あるように思います.
>>  常用漢字の例 曾・曽 瘦・痩 麵・麺 頰・頬 塡・填 葛・葛
>>  表外漢字の例 摑・掴 噓・嘘 繫・繋 藪・薮 鶯・鴬 壺・壷 攪・撹 賤・賎 諫・諌 頸・頚 嚙・噛 瀆・涜
> 
> このことを別に表現するなら,以下のようになります.
> 
> “常用漢字表”に従って(字種,字体,音訓)表現するとした場合,2010年までは,固有名詞を除外し,字体(字体を選択しないといけない)の“問題はない”といってもよいでしょう.(デザイン差という問題は残りますが,問題となるようなことは実際にもなかったと思います.)
> 
> しかし,2010年の“常用漢字表”の改正以降は,字種が“常用漢字表”の範囲内であっても,どの字体を選択するかの問題は,紙版であろうが,Webであろうが,例として上に掲げた漢字を使う場合,どうするかの問題が出てくるということです.
> 
> ましてや表外漢字を使用する場合は,2010年以前から,該当する漢字を使用すれば,字体を選択しないといけない問題は出てきたのです.ただ,書籍の場合は,過去のいきさつがあり,そうした問題を認識していたので,ことさら問題になった,ということでしょう(当然,問題としない出版社もあった).デジタルテキストの世界では,あまり,そのことを問題にする人がいなかったということだと思います.
> 
> 例えば,木田さんの書かれた“2. 日本語デジタルテキストの作り方”(以前のバージョン)に,“繋げて”という文字が使用されていた.最終的に公開する際には,たぶん,“つなげて”か,“繫げて”の方がいいんじゃない,といったかもしれない,ということです.
> 
> つまり,“常用漢字表”に含まれている漢字あるいは,表外漢字を使用する場合,使用する漢字によっては,字体の選択が必要となる漢字が出てくるよ,ということです.
> 
> なお,私が書くなら,上に掲げた例でいえば,前に掲げた字体を使用すると思いますが,後ろの字体を使用することは否定はしません.それは,様々な事情はあるので,それはそれということかと思います(“常用漢字表”でも,言い方は別ですが,そのように言っています).
> 

Received on Saturday, 1 June 2024 12:57:49 UTC