電子化と学術雑誌の図表キャプションの配置

山口です。

たまたま見つけたのですが、いいと思ったのでシェアします

巻頭言『心理学研究』の現状と今後の展開, 中村 知靖 @九州大学
https://doi.org/10.4992/jjpsy.advpub_94.editorial


これの4枚目(p.460)の「論文の完全電子化」に、学術雑誌の電子化のインパクトが次のように整理されてます:
* 組み方を(既に!)変えた
* 論文のページ数制限が緩やかになる可能性がある
* Webブラウザによる翻訳が容易になり、日本語の論文が海外の研究者に読まれる可能性が高まるかもしれない

中でも1番目のこれがイイです:
「執筆・投稿の手びきを改訂した際,…,表と図のキャプションの位置を上部とし,左揃えにしたのは,冊子体のようなページ概念がない全文XMLによる組版を意識したためである。」
「ページ概念がなくなるから図表のキャプションの配置を変えました」という文章を、JLReq-d以外で目にするのは嬉しいです。

「心理学研究」の論文は、このページからたどってフリーで見られますが、新しいものは実際に、図のキャプションが図の上に左揃えになってます:
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jjpsy/-char/ja

J-STAGEには、「心理学研究」HTML版(記事で「全文XML」と呼んでるもの)は、まだありませんが楽しみです。

日本心理学会の英語誌も、こちらから見られて、こちらは既にHTML版もあります。
https://onlinelibrary.wiley.com/journal/14685884

HTML版では、図のキャプションは図の下ですね。でも、対応するPDF版では図の上にあります。HTML版の組み方はWileyの仕様なのでしょうか。

「心理学研究」を離れると、J-STAGEにも既にHTML版の論文がありまして、「検索条件の詳細設定」で「記事属性」の「本文(HTML形式)」にチェックを入れて、「発行年」か「検索する語」を入れて検索すると出てきます。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja

医学系の論文が多く、図といえば主に患部の写真です。

Received on Thursday, 23 May 2024 04:31:42 UTC