- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Tue, 07 May 2024 13:09:19 +0900
- To: JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
木田 様 みなさま 小林 敏 です. レイアウトと組版を分けるものは何か. 私は,最初のメールで,以下にように書きました. Kobayashi Toshi さんwrote > レイアウト:画面に表示される文字・図版等の配置の設計,及び実際に表示された結果 > 組版:文字・図版等の配置の設計に従い,実際に表示が行われるための準備作業及び表示の処理 そして,木田さんは,以下にように分けています. 木田泰夫 さんwrote >組版:書体を選ぶ、いわゆる行組版のルール、行長、行間くらいまで。行長行間は、テキストの読みやすさという観点であくまでもテキストが視点。それ以上の単位、例えばパラグラフスタイルは含まれない。テキストレイアウトと重なりはあるが、文字から行を組み立てゆく部分。 > >(テキスト)レイアウト:ジャスティフィケーションするかしないか、行長や行間、パラグラフのスタイル、など。行長行間は空間の中にテキストの四角がどのように配置されるかが視点。組版と比較して、俯瞰して面の中のテキストを見た時の様子を対象とする感じ。 この2つは差異があります.ちょっと強引ですが,次にように言えると思います. a 仕事の流れに従い分ける レイアウト:主に文字をどう配置するかの設計を意味する.つまりデザインです. 組版:主に文字をどう配置するか実際の処理を意味する. b 文字配置の内容により分ける レイアウト:文字配置の細部ではなく,各要素の配置を主に意味する. 組版:文字配置の細部,字詰め方向及び行送り方向に文字をどう並べるかを意味する. 私の考えは,aです.これまでの各種の組版に関連する本などでは,bとする例は,ないと思います.そして,レイアウトには,行頭の括弧類の配置方法や行の調整処理を含めて,そこには複数の配置処理方法がありますから,設計の段階では,どの方式を選択するかを決めないといけない. ただ,これまでは,一部のデザイナーを除き,行頭の括弧類の配置方法や行の調整処理方法に関する関心は少なかった.それは出版社で決めればいいということがありました.だから,それは含まれないということにはならないと思います.文字フォントを選ぶ,行間を選ぶと同様に,字間処理の基本方針を決めることは,文字配置の基本的な要素でしょう. なお,付け加えると,見出しの配置処理の設計は,あきらかにレイアウトの範疇です.そして,書籍の場合は,行送り方向の設計を,原則として行を単位にレイアウト(行ドリという)してきました.(それは,行を単位にすると問題が単純化され,考えやすくなりということと,行送り方向の配置領域(とまり版面サイズ)を常に一定にして,半端がでないようにするという事情はあったからです.) それに対し,組版で,行ドリされた指示を,実際にどうすればよいかが問題になるように思います. 見出しの配置処理は,レイアウトの問題でもあり,組版(組版処理といってよい)の問題でもあり,問題は重なっています.私は,いってみればレイアウトの問題も考えてきたし,組版の問題も考えてきた.ですので,“レイアウト+組版”の両方が説明の対象になる.ですから,表現しようということの重点により,レイアウトの問題と表現し,組版の問題と表現することになる.
Received on Tuesday, 7 May 2024 04:10:45 UTC