Re: 和欧間スペース提案:和文と欧文記号との間について

山本 様
石井 様
みなさま

 小林 敏 です.

山本さんのいっていることは,細部の細かい話はおいて,一般的には,私もその通りだと思います.ただ,細部を細かく考えていくと,ラテン文字の記号等と和文の字間では,ベタにしたい例もあるし,また,空けたい例は,使用例も多くないし,まあ,いいか,というのが私の意見です.

ところで,以下のデータについて,細かい事項についてコメントしてきます.

  Taro Yamamoto さんwrote
  
>以下に、いくつかのサンプルの画像を挿入します。4種類のそれぞれについて、和欧間のスペースを欧文の括弧類・記号類との間に入れた場合(-1)と入れない場合(-2)とを示しています。私の目には(-1)の方がバランスがとれていると見えますが、いかがでしょうか。

1について,

ここの文献をコーテーションマークとパーレンで囲っていますが,このコーテーションマークとパーレンは和文用か,ラテン文字用かの問題がある.どちらが正しいということではありませんが,私が処理するなら,あくまでここは和文文脈であり,たまたは,内容がラテン文字であるということなので,私は和文用を用いる.

ところで,ここの例のように和文中にラテン文字用の括弧類を使用した場合,どうするか.その内側はベタが原則でしょうが,“(組版)”と使用した場合,ラテン文字と和文とを空けるとした場合,このパーレンの内側が空いてしまう.これは問題になるでしょう.(括弧類の内側を空ける方法もあったが,今日では,空ける方法は,ほとんど見掛けない.)

外側は,私はどっちでもよいと思っている(そもそも,私はそのような使い方はしない)が,ベタでもいいでしょう.

2について,

“オー!”の“!”も和文用を用いる.“Mom!”の後は,空けた方がよいでしょうが,まあ,……

3について,

“(Jeremy Wilson)”のパーレンは和文用だが,これは,私もそうする.ただ,こうした例でラテン文字用を使う方法は,けっこう見掛ける.

“T. E. ロレンス”は,従来は,Tの後ろもEの後ろのピリオドも,何らかの方法で字幅を二分にする処理が多く行われていた.簡便にはTの後ろのピリオドの後ろには“U+0020”を入れる方法でもよいが,可変なのが,ちょっといやだなとも思う.現在の問題でいえばEの後ろのピリオドが問題であるが,“Mom!”と同じで,空けた方がよいでしょう.ただし,Tの後ろを何らかの方法で字幅を二分にする処理するのなら,Eの後ろのピリオドも同じ処理をすれば,空ける処理は不要となる.

なお,“T. E. ロレンス”の例は,それなりに出てくる可能性があるが,最近は省略符を使う例は,やや減っているようにも思う(“T・E・ロレンス”のように,区切りとして中点を使う方法が増えているようにも感じている.ただ,私の個人的な感想では,“T・E・ロレンス”は好みではない).

4について,

ここも,“Mom!”と同じで,Dの後ろのピリオドの後ろは空けた方がよいでしょう.

Received on Friday, 26 April 2024 03:32:45 UTC