- From: 木田泰夫 <kida@mac.com>
- Date: Thu, 25 Apr 2024 17:28:51 +0900
- To: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Cc: JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
- Message-Id: <A0F29DC8-1CF7-4D65-8705-4007AE9597B1@mac.com>
> 2024/04/25 15:37、Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>のメール: > > 木田泰夫 様 > みなさま > > 疑問としている項目につき,補足しておきます. > > 小林 敏 です. > > 木田泰夫 さんwrote > >> - JLReqが書籍を念頭に置いていたのに対し、JLReq-dは特定の用途を想定しないという違いがありますね。それを考えた時に、(ページものを前提としないこと以外に)内容にどのような影響があるでしょう。 > > 書籍,それも一般書とした場合,読者の利用(読書方法)を含めて慣習ないし,ある種の基準を考えた場合,かなり思い切って,その方法を書くことができる,と思います.その枠がなくなる,ということで,言えることは,少なくなり,言えても,とても一般的になることではないかな. > > 例えば,書籍,雑誌,広告を考えた場合, > 書籍は,最初から最後まで,通読するということが,ある程度は前提としてよい.ですから見出しは,それぞれに重さ(比重)が,それなりに表現されていればよい. > 雑誌は,最初から最後までではなく,1本1本の記事を読むということが主.1本の1本の記事の存在を示す必要がある. > 宣伝は,なにがなんでも読んでもらう必要がある. > > ですので,書籍の人が宣伝のデザインをすると,文字は小さすぎ,宣伝の人が書籍のデザインを行うと,見出しが大きくなりすぎる.雑誌は,その中間. > > JLReqは,こうした説明をしていないが,ベースには,そうしたことが前提になっている. なるほど、これは勉強になります。一般的な傾向として、上に書いていただいたようなことを書くと読者の参考になるかもしれません。 言えることが一般的になっても、少なくなるとは一概に言えないのではと思います。例えば、書籍では使わないような大きさの文字の使い方についても触れる必要があります。私の経験している例ですが、プレゼンでは大きな文字を箇条書きに並べたりしますので、英字と和字の左端の位置のずれが気になって調整したりします。特に複数の種類の文字を混在させたときに現れる問題は jlreq-d で扱う価値が特に高いように思います。 また、オプティカルサイジングの考え方に沿って、大きな文字ならコントラストの大きい明朝などの書体が生きてきますし、小さな文字の場合には文字の誤認を避けるためにコントラストが小さめの懐の大きめの書体を選ぶ、などの一般的な考え方も書けそうです。 >> - 読書の際のガイダンスは、デジタルにおいては組版というより全体のユーザーインターフェースの一部かもしれませんが、重要ですね。書籍の経験から何か有益なことは言えるでしょうか。 > > 書籍では,原則として,例えば,手渡しし,その際に口頭で説明する,ということができない.ですので,“序文”,“あとがき”などで説明する.つまり,この本は,こんなことを考え,こんなことを目的に作ったのですよ,こんなことが書かれているのですよ,といったことを,自らが自らを説明する.こうしたことはデジタルテキストでも変わりはない. > > 全体を示す目次,内容をキーワードで示す索引,読んでいる状況を示すノンブル,柱などの機能も,その役割という点ではデジタルテキストでも変わらない.その具体的な示し方が変わるだけでしょう.なお,索引は,デジタルテキストでは検索できるという点で似ているが,索引を通覧することで,内容の概略を摑めるという機能がある.したがって,索引を作らないなら,こうした機能は,目次を詳しくするなどで補うのもよいかもしれない.説明のあるキーワードで,あるものはデジタルテキストの検索で見つけられるが,ないものは,……,これも検索すればできるか. そうですね。長い内容を表す場合にはwebでも目次を使うことが一般的なようですが、書籍のように決まったフォーマットがなく、流行り廃りがあるようです。JLReq はウィンドウ幅が十分広いと左端、そうでないと第一章の前に配置、Wikipedia もウィンドウ幅が十分広いと左端、そうでない場合はタイトルの左にメニュー。Kakuyomuという小説サイトでは右側に来て、ウィンドウが狭いと単にコンテントが隠れるようです。 https://www.w3.org/TR/jlreq/ https://ja.wikipedia.org/wiki/文字 <https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%AD%97> https://kakuyomu.jp/works/1177354054893250763 もはやこの辺りは組版問題というよりはウェブのUIの問題なんでしょうかね。JLReq TFの手に余る感じがします。 > 内容を > 文→段落→項目→小見出し→中見出し→大見出し > というように階層に分け,それを示す見出しなどを付け,その見出しの文字サイズその他で,その階層の位置を示す,ということもデジタルテキストでも変わらない. > > 見出しの冒頭に第1部,第1章などをラベル名を付けるのも,この階層の位置を示すのに大きな役割を果たしている. > > ところで,メールを書く際に,この階層構造を示したいと思うが,それがいつも悩む. これわかります。フォントサイズを選ぶことはできるのですが、そんな柔軟性よりも HTML でいうところのヘッダーのスタイル H1, 2, 3 などの簡易な設定が欲しいと思います。ただ、メールではそこまで複雑でもありませんし、内容の構成をかっちり作ることは滅多にないからでしょうか、第1章、などと数字をつけたくなることはあまりないように思います。 木田
Received on Thursday, 25 April 2024 08:29:09 UTC