- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Thu, 25 Apr 2024 15:37:54 +0900
- To: 木田泰夫 <kida@mac.com>
- Cc: JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
木田泰夫 様 みなさま 疑問としている項目につき,補足しておきます. 小林 敏 です. 木田泰夫 さんwrote > - JLReqが書籍を念頭に置いていたのに対し、JLReq-dは特定の用途を想定しないという違いがありますね。それを考えた時に、(ページものを前提としないこと以外に)内容にどのような影響があるでしょう。 書籍,それも一般書とした場合,読者の利用(読書方法)を含めて慣習ないし,ある種の基準を考えた場合,かなり思い切って,その方法を書くことができる,と思います.その枠がなくなる,ということで,言えることは,少なくなり,言えても,とても一般的になることではないかな. 例えば,書籍,雑誌,広告を考えた場合, 書籍は,最初から最後まで,通読するということが,ある程度は前提としてよい.ですから見出しは,それぞれに重さ(比重)が,それなりに表現されていればよい. 雑誌は,最初から最後までではなく,1本1本の記事を読むということが主.1本の1本の記事の存在を示す必要がある. 宣伝は,なにがなんでも読んでもらう必要がある. ですので,書籍の人が宣伝のデザインをすると,文字は小さすぎ,宣伝の人が書籍のデザインを行うと,見出しが大きくなりすぎる.雑誌は,その中間. JLReqは,こうした説明をしていないが,ベースには,そうしたことが前提になっている. > - 読書の際のガイダンスは、デジタルにおいては組版というより全体のユーザーインターフェースの一部かもしれませんが、重要ですね。書籍の経験から何か有益なことは言えるでしょうか。 書籍では,原則として,例えば,手渡しし,その際に口頭で説明する,ということができない.ですので,“序文”,“あとがき”などで説明する.つまり,この本は,こんなことを考え,こんなことを目的に作ったのですよ,こんなことが書かれているのですよ,といったことを,自らが自らを説明する.こうしたことはデジタルテキストでも変わりはない. 全体を示す目次,内容をキーワードで示す索引,読んでいる状況を示すノンブル,柱などの機能も,その役割という点ではデジタルテキストでも変わらない.その具体的な示し方が変わるだけでしょう.なお,索引は,デジタルテキストでは検索できるという点で似ているが,索引を通覧することで,内容の概略を摑めるという機能がある.したがって,索引を作らないなら,こうした機能は,目次を詳しくするなどで補うのもよいかもしれない.説明のあるキーワードで,あるものはデジタルテキストの検索で見つけられるが,ないものは,……,これも検索すればできるか. 内容を 文→段落→項目→小見出し→中見出し→大見出し というように階層に分け,それを示す見出しなどを付け,その見出しの文字サイズその他で,その階層の位置を示す,ということもデジタルテキストでも変わらない. 見出しの冒頭に第1部,第1章などをラベル名を付けるのも,この階層の位置を示すのに大きな役割を果たしている. ところで,メールを書く際に,この階層構造を示したいと思うが,それがいつも悩む.
Received on Thursday, 25 April 2024 06:39:59 UTC