- From: Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com>
- Date: Mon, 16 Oct 2023 07:25:56 +0000
- To: "Atsushi Shimono (W3C Team)" <atsushi@w3.org>, "public-i18n-japanese@w3.org" <public-i18n-japanese@w3.org>
Shimonoさま > そこで、その二つが魔合体すると、オープンキャプションを入れることが主流の日本のコンテンツに対しては「縦書きの斜体での字幕」というのがかなりの高頻度で発生することになる、と。 > 日本語ではそもそも斜体なんてなかったので、特に縦書きの斜体の書式なんてものに確固たる何かはない、という話をしても、いやーでもーずっと困ってるんだよねぇ、という話がよく出てきます。。 引用されたNetflixのページを読むとitalicizeという言葉は使われていますが、slantとかobliqueという言葉は使われていないようです。ですから、それは「斜体」ではありません。 日本語テキストにはitalicという文字スタイルは存在しないため、その規則で用いられているitalicizeの解釈には次の二通りが考えられると思います。 1. 日本語にitalicはないのだから、無視する。 2.a. italicizeということを、「強調するあるいは他と区別できる文字の様式で組む」ことと解釈して、圏点・傍線・文字の色を変える・文字サイズを変える・文字の太さを変える、などの方法を用いて区別できるようにする。 (この場合、Netflixが他のところで定めている文字に対する修飾・差別化の方法がある場合には、それと衝突しないようにする必要があります)。 2.b. italicを「斜体」と解釈して、日本の「斜体」で組む。 (この場合には、italicと「斜体」とは別物であるということを理解した上で、あえて強調あるいは差別化の目的で「斜体」を使う、ということなので、第3の選択肢ということではなく、2.の一種という意味で、2.bとしました。この方法はたしかに一つの方法ではありますが、このやり方が広く用いられると、「日本語のitalicって斜体なんだ」という誤解が広まり定着することが危惧されます。しかし、「斜体」も強調・差別化の一つの方法ですから、「italicと斜体とは同じだ」ということを決めつけてしまわない限り「斜体」を使うことも否定はできません)。 やはり、全体として視覚的に一番効果的な方法を採用すべきで、もし最良の方法が「斜体」なのであれば、そうすることになります。 良くないのは、規則を単純に杓子定規に解釈して、「italic」と書いてあるから、日本語の場合には斜体を使うしかない」と安直に決めつけてしまうことではないかと思います。 興味深い例をお教えいただきありがとうございます。 山本
Received on Monday, 16 October 2023 07:26:08 UTC