- From: Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com>
- Date: Mon, 9 Oct 2023 03:08:11 +0000
- To: 木田泰夫 <kida@mac.com>
- CC: Nat McCully <nmccully@adobe.com>, Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>, JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
- Message-ID: <DM8PR02MB8070FC9C7CA58E69192E735FCECEA@DM8PR02MB8070.namprd02.prod.outlook.com>
木田さん、 ここでの一般化された「全角」は、OpenTypeの’BASE’テーブルにおけるideographic em boxに対応していて、主要な日本文字(漢字・仮名)について、その具体的な個別グリフの仮想ボディではなく、組版を行う上で揃えの位置とスペーシングの上でフォント全体について参照される位置を示す、抽象化され一般化された、フォント全体としての日本文字の仮想ボディを意味していて、その特殊な場合が正方の「全角」と等しくなり、必ずしも字送り方向の幅だけでなく、文字の大きさについては、正方の全角と同様「字送り方向と直交する方向での仮想ボディの上下(または左右)辺間の距離」の値を持ち、異サイズの文字揃えの基準となるベースラインの情報も有しています。 また、ある意味でこの拡張された「全角」は、個別のグリフの字幅と常に一致しているわけではなく、例えば、当然プロポーショナルの欧文などには適用できず、その意味で「日本文字の仮想ボディ」を対象としていますが、それだけではなく、例えば、漢字と仮名とで長体の比率が異なる場合でも、その書体デザイナーが、漢字の字幅をその拡張された「全角」に設定することも、そうすることがスペーシング上妥当であれば可能となります。また正方の「全角」のままにしておくことも可能です。その意味では、名目上の仮想ボディともいえますが、この拡張され一般化された「全角」情報を、日本文字のスペーシングと揃えを行う上で参照することが可能になる意味があります。その意味では、付加的な附属的情報と言えます。とはいえ、一般化され抽象化sれた日本文字の仮想ボディを示しています。 そのため、幅だけに絞るわけにはいかないので、もし「全角」の言葉を避けるなら、以下のような単語が考えられるかもしれません。 名目上の和字仮想ボディ フォントレベルの和字仮想ボディ 文字組み参照用和字仮想ボディ 一般化和字仮想ボディ 一般化和字ボディ フォントレベルの和字の角 和字の角、等々 または、シンプルにするのであれば、「全角」の用語をそのままにして、一般化した意味によって、(定義を置き換えるのではなくて)定義に追加する方法もあるかもしれません。 山本 From: 木田泰夫 <kida@mac.com> Sent: Monday, October 9, 2023 7:21 AM To: Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com> Cc: Nat McCully <nmccully@adobe.com>; Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>; JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org> Subject: Re: 行長は全角の整数倍であらねばならないか EXTERNAL: Use caution when clicking on links or opening attachments. 例えばですが、fullwidth をそのまま訳して、新しい言葉として「全幅」を定義する? 日本語から訳すと全角も全幅も fullwidth になりますが、英語での文では訳語のとおり字送り方向の幅しか表しませんし、日本語の文でも全角という言葉は実際にはほとんどの場所で幅を意味しているので、問題なさそう? 幅を表す用語を使うことで、日本語組版の記述を一歩一般化できて、長方形の仮想ボディを含めることができますね。フォントの種類から言うと正方形が圧倒的なのですが、エンジンを作る場合には、正方形でない場合は? AIXISやMS P的な場合は?と正方形でない場合も問題になりますので、記述をできるだけ一般化できるといいと思います。 木田 2023/10/09 7:04、Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com<mailto:tyamamot@adobe.com>>のメール: Nat, 1. Condensed fontの半角アキもcondensedにするのであれば「全角」の意味はcondensedの幅になると思いますが如何でしょうか。 まったくそのとおりだと思います。 しかし、ここでの最後の議論では、従来の常に正方である「全角」の概念とは別に、一般化され拡張された「全角」の概念に対しては、異なる用語を用いた方が良いという流れになっていました。 その場合には、正方の全角しか必要でない状況においては、従来どおり「全角」を適用し、condensed fontのようにcondensedな「全角」を適用する必要が生じた場合にだけ、その一般化され拡張された「全角」概念を適用するが、それを説明する場合には、その呼称としては従来の「全角」ではなく、例えば「一般化された全角」のような異なる用語を用いる。ということではないかと思います。(具体的に、それを、どういう用語にすれば良いかは、まだ分かりませんが。) 山本 From: Nat McCully <nmccully@adobe.com<mailto:nmccully@adobe.com>> Sent: Sunday, October 8, 2023 4:38 PM To: Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com<mailto:tyamamot@adobe.com>>; Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp<mailto:binn@k.email.ne.jp>>; 木田泰夫 <kida@mac.com<mailto:kida@mac.com>> Cc: JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org<mailto:public-i18n-japanese@w3.org>> Subject: Re: 行長は全角の整数倍であらねばならないか Condensed fontの半角アキもcondensedにするのであれば「全角」の意味はcondensedの幅になると思いますが如何でしょうか。 —Nat ________________________________ From: Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com<mailto:tyamamot@adobe.com>> Sent: Saturday, October 7, 2023 9:50:58 PM To: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp<mailto:binn@k.email.ne.jp>>; Nat McCully <nmccully@adobe.com<mailto:nmccully@adobe.com>>; 木田泰夫 <kida@mac.com<mailto:kida@mac.com>> Cc: JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org<mailto:public-i18n-japanese@w3.org>> Subject: RE: 行長は全角の整数倍であらねばならないか (コメントします)。 > もし,“全角”の定義を拡張し,山本さんのいうところの“全角”という意味を定義しなおす必要があるならば(その説明をしたいという気持は理解できます)が,現在は,その説明を行う必要性はそれほどないように思います.いずれにしろ,その説明の必要が出てくれば,それには別の言葉を用意し,その用語を定義しなおした方がよい,と私は思っています. この拡張された「全角」の話の発端は、もともと仮想ボディが正方でない日本語グリフを主な構成要素とするフォントにおいてベタ組での行長をどのように考えるか、ということだったと記憶しています。そのために全角の考え方を一般化する必要がありましたし、私は、それが現在のOpenTypeの'BASE'テーブルのideographic-emの考え方に符合していることを説明しました。 他方で、現在の「全角」を正方とする定義は、その拡張された「全角」の特殊事例を示すものですが、ご指摘のように、JLREQの定義と整合させる必要から、将来必要な時に、一般化された「全角」の方を別の用語で定義し直した方が良いというお考えはもっともと考えます。 山本
Received on Monday, 9 October 2023 03:08:24 UTC