Re: 行長は全角の整数倍であらねばならないか



> 2023/09/02 19:17、Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>のメール:
> 
> 木田 様
> 山本 様
> みなさま
> 
>  小林 敏 です.
> 
> 少し,追記します.
> 
> 行頭そろえの問題
>  見た目のバランスが悪い

そのように感じたことがないんですよ。それはおそらく、行頭行末揃えにすべき文はすでに行頭行末揃えにされていて、私が見る行頭揃えの文のほとんどは段落区切りが一行空けの場合か、このメールのように、行末がかなりバラバラになっている場合が多いからかもしれません。

「行頭行末揃えにすべき文」がある、と言う前提ですが、そのような文が行頭揃えにされていたらバランスが悪いように見えるのかもしれません。

>  行末のアキが誤解を与えることがある

これも経験ありません。

> これ以外に,全角下ガリで段落を区切りを示す場合,あいまいになる場合がある.
> これを避ける場合,段落の区切りとして1行アキにする方法があるが,これは短文の場合はよいが,長文の場合,区切りが大きすぎて,あまり読みやすいとはいえない.

これも、、、読みにくいと思ったことがありませんが、字下げと一行空けでなぜ違いがあるんですか? 

感じたことがありませんばかりのレスポンスになってしまって申し訳ない気分です。


ところで、まっったく別の議論ですが、日本語の段落と、英語で言うパラグラフって似た存在のようで役目が全く異なりますよね。英語のパラグラフは明確に意図された意味の塊です。日本語の段落は、読みやすさのための任意の区切りです。読みやすさ段落が集まって意味段落を成すという概念は一応あるようですが、段落というものが第一義的に読みやすさのためであることに変わりはありません。

それを考慮に入れると、一行空けの形式を使う場合には、これは日本語の段落ではなくて、英語で言うパラグラフとして扱って、一つの意味単位として作るべきなのかもしれません。さらに余計な議論に入りますが、そうすると、日本語の字下げの段落と、一行空けのパラグラフを混在させることも意味のあることかもしれません。小林さんのお好きそうな話題ですね。


>>> 文によっては欧文単語が多く挟まります。「ジャスティファイしても一切ばらけない
>>> のが常態」だからこの問題は無視できるとは全く言えないと思います。
> 
> 日本語組版は融通無碍なところがあり,なんでも混植できますが,ラテン文字との混植は,実はあまり相性がよくない.欧文は単語間という調整箇所があるが,和文では,基本的にない(あれば,そのが優先的に使用される).つまり,お手上げ.
> 
> そこで,どうするか,私が編集者であれば,以下のことを考えます.状況により判断します.
>  なんとかしてと著者にお願いし,ラテン文字の使用を減らしてもらう.
>  著者にお願いし,文章の構成を変更し,ラテン文字を含む部分を特別に分け(まとめ),そこは別処理にする.
>  校正段階で工夫する,あるいは,複数行を使用して,行の調整処理を行う.
>  ジャスティファイにしたいが,泣く泣く,それをあきらめる.
>  いやいや,そのメリットを考え,ジャスティファイとし,多少の行の調整処理がでるのは,許容する.
>  
> ところが,変動レイアウトでは,状況により判断することができないので,できるだけ望ましい解決方法を考えるということは大前提としても,組版処理では解決できない問題も出る.すべて,組版段階の処理で考えないといけないのか,という問題でもあり,ある程度の許容はやむをえないのではないかな.

jlreq-d は変動レイアウトにフォーカスした物ですが、これからの「混植」という面ももっと陽に扱うべきなのかも、と思えてきました。もちろん、すべて全角である場合もありますので、それをカバーした上でですが。

木田

Received on Wednesday, 6 September 2023 02:51:06 UTC