行長は全角の整数倍であらねばならないか

タイトルを変えました。

> 2023/08/29 10:50、Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com>のメール:
> 
> 木田さん
> コメントいただきありがとうございます。
> 全角一つ分の空間を例えば一行40文字に分散させると、各文字の間に全角の1/40(正確には1/39)の空間が足されることになりますね。これを「一切なくなって」と表現できます? 例えば一行10文字なら、追加の調整量が1/9となって明らかに見分けられますね。
> 1/39というのは、全角を1,000ユニットとすると約26ユニットです。本文を9 ptで組んだ場合だと、このアキはほんのスペーシングがほんの少しゆるくなる程度で、比較しなければ見つからない場合も多いかもしれません。しかし、本来ベタで組まれた状態が再現不可能になってしまう(ベタで組まれないのが常態になってしまう)のは問題だと思います。ただ、その問題が無視できるかどうかについては、異なる意見があるかもしれません。

印刷を再現できるかどうかは jlreq-d において完全に考慮外です。それを前提として考えると、画面上で読むときに全角の1/39の均等なアキの有無は私は無視できる問題のように思えます。短い行になるとこれが全角の1/9になったりします。実際に読むときに気になったり障害になったりするかどうかはわかりませんが、このくらい大きくなると気がつくと思います。

もしアキが大きな問題なら、禁則、ルビ、英数字などのプロポーショナル要素によって行の調整が頻繁に入るような場合はどうなんでしょう? アキを統一したければ、両端揃えよりも行頭揃えの方が良いわけで、まさにこの理由でアクセシビリティ対応の欧文は行頭揃えを選択できる必要があります。

もちろん、整数倍かどうかは全域にわたるアキのデフォルト状態を決め、行の調整はそこからばらけるという問題なので、同じには扱えませんが、全域にわたって同じように空く方が、ばらけるよりはまだ問題は小さいのではと想像します。ばらけるのは両端揃えを選択したら不可避です。つまり整数倍かどうかは、その不可避の問題よりは小さな問題である、と。どうでしょう?

整数倍にする意味がないと言いたいわけではないんですよ。整数倍がどのように有用なのかを理解するために、整数倍じゃなくてもいいんじゃない? という思考実験に皆様を誘っているんです。


jlreq-d が言うべき一番重要なことは、整数倍にすべき or しなくても良い、ということではなくて、コストをかけて整数倍にするための機能を実装する利点はコレコレですよ、という情報を提供する事です。そのときに、印刷ではそうされてきた/その方が好ましいと思う、と書くのは悪いわけではありませんが画面で読むためのテキスト表示をどうするかの判断のために良い情報になりません。

また、実装者に対してガイダンスを提供したいので、そこに我々の判断が入って、整数倍にできることのプライオリティはこのくらい、と書くでしょう。今までに私が得られた知識によると、プライオリティの高い機能でないように思えます。しかし、各自の判断ができるよう情報を提供するのが一番重要なところだと思います。


ところで、本文ではなくてタイトルの場合はずっと短いので影響は大きくなりますが、この場合には両端揃えにはならないですかね?

> はい、私もそのクチです。その場合は字下げの方法で段落を示すのではなく、欧文風の空行で示す方法の相性がよさそうです。
> パラグラフ間に字下げの代わりに空行を空けるかどうかは、ページの空間構成に影響を与えるデザイン上の選択肢として、どちらも選択できる必要があります

もちろん。字下げを選択する場合、両端揃えの方が相性が良いかも?とそれだけの話です。

> ただし、日本語の両端揃えは欧文に比べて欠点が小さいとも思います。空きが英単語の場合に比べて数倍の数の場所に分散されますので、不自然な結果になりにくい。とすれば、両端揃えの美しさが良いものに思えます。実際私自身、ちゃんとした文章を作るときにはパラグラフの作り方関わらず両端揃えにすることが多いです。
> ジャスティファイする場合には、やはり行長はタイプサイズの整数倍が好ましいと考えてしまうのは私だけでしょうか……。整数倍の行長の制約を選択的にOn/Offできれば良いのかもしれません。



木田

Received on Wednesday, 30 August 2023 09:24:45 UTC