Re: JLReq-D: Fonts Section [DRAFT]へのコメント2

From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
Sent: Monday, December 12, 2022 20:32
To: Nat McCully <nmccully@adobe.com>; 泰夫 木田 <kida@mac.com>; public-i18n-japanese <public-i18n-japanese@w3.org>
Subject: JLReq-D: Fonts Section [DRAFT]へのコメント2

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Nat McCully 様
みなさま

 小林 敏 です.

Problem Statementに掲げてある図(つまり最初の図)ですが,あれはモデルを示したものですか,それとも組版エンジンの実際の処理方法を示したものですか?

行送り方向を実際に処理する方法は複数あり,また,同一の組版エンジンでも複数の処理を行っている場合があると思います.
はい、最初の図は欧文用の行送り方法や行の高さ、と和文用の方法や高さ、とを比較する図です。右と左は欧文ベースライン基準点とサイズは一緒。で、図には入っていないのは、和文の方法では種類が複数あります。例えば文字揃えが中央の場合、行送り方法もセンター式にできます。そうしたら行送りは行の中央点から次の行、または前の行、への距離を決めます。InDesignでは、composer設定で和文方式、欧文方式、行送り方式、文字揃えなどが設定できます。

ところで,実際の処理方法をいくらかでも知っていると,ドキュメントのレイアウトを設計する立場のものでも,いくらか参考になるのです.例えば,Wordでは,行送り方向の処理方法は,基本としてline-heightだと思います.ですので,Wordの版面を具体的に設定する場合,先頭行の前に行間の1/2,末尾行の後ろに行間の1/2のサイズを追加して設定しないと,予定した行数が配置されない,ということになります.

そして,この処理方法により,ある領域との関係でいえば,図にも示してあるように以下のような問題が発生します.
 1 先頭行の配置位置と領域の関係
 2 末尾行の配置位置と領域の関係
 3 段落間のアキを変える場合のアキの処理
 4 行送り方向の途中に異なった文字サイズや行間の段落が挿入された場合,その段落の前後の行間の処理

実をいうと,4の処理で,いつもInDesignで悩んでいたことがあったのです.(ですので,こうした段落間の行間では,指定したいアキを実現するために,見た目で行間をゼロになるように,まず設定したうえで,段落間のアキをさらに指定し,私は処理していました.)
おっしゃる通りです。InDesignの和文用方式では、先頭行の高さが特別で、ページ上のベースライングリッドと揃う方法として見えやすいですが、全ての行を統一の高さと行送りのデザインを考えた場合には難点はあるでしょう。和文グリッドを使えば統一したデザインは簡単にできますが、上の4のことはいまだに難しいです。これからそのユースケースを考慮して今までなかった行送り方式を考えたいと思います。リズム問題はやはりベースラインや行送り基準点を理解した上で苦労しないといけないのは残念だと思います。もっと簡単にできないかな、と。

ナット​

Received on Wednesday, 4 January 2023 02:50:42 UTC