Re: デジタルドキュメントの版面設計

石井さん、このガイドラインいいですね。jlreq-d で活用させて(パクらせて ;)もらいたいです。

各社のデザインガイドラインを研究する価値がありそうですね。国際化デジタルテキストの経験が詰まっているように思います。

木田

> 2022/08/15 16:29、Koji Ishii <kojii@chromium.org>のメール:
> 
> ご参考まで、Googleのデザインガイドライン <https://fonts.google.com/knowledge/using_type/language_support_in_fonts>では、3つのカテゴリーを定義していて、CJKは "Dense" というカテゴリーに入れられています。
> 
> Dense typefaces: These scripts, like the “Tall typefaces,” also require extra line height to accommodate larger glyphs, but additionally take into account the higher density of characters in languages such as Chinese, Japanese, and Korean.
> 
> 
> 
> On Fri, Aug 5, 2022 at 4:33 PM Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp <mailto:binn@k.email.ne.jp>> wrote:
>> Yasuo Kida 様
>> みなさま
>> 
>>  小林 敏 です.
>> 
>>   Yasuo Kida さんwrote
>> 
>> >「ラテン文字とは,行間の考え方が基本的に異なる」というところ、詳しく知りたし。
>> >もっと広く空ける必要があるということですか?
>> 
>> そうです.ラテン文字は,原則として小文字が中心です.小文字の多くはベースラインとミンーンラインの間にある短字が多い.これに小文字の長字と大文字が部分的に入る.したがって,ラテン文字が主な場合,行間は,三分とか四分でよい.極端にいえば,行間がゼロでも,ラテン文字の場合,問題なく読める.
>> 
>> これに対し,日本語の文字は文字の外枠のほぼ一杯に設計されているので,行間がゼロということは,よほど特別な場合でしか選択できない.長い文では,しかも段組の場合であるが,最低でも二分といわれている.(図のキャプションなどでは,行数が少なく,テキストも少なく,また,キャプションとしてのまとまりを考え,行間は四分くらいにしている.また,辞書などページ数を制限したい場合も行間は狭い.ただ,辞書は短い文章なので,しょうしょう読みにくくても,まあ我慢できる.)
>> 
>> 縦組の場合,1段組はずっと以前は全角行間が基本であった.紙に印刷する場合,ページ数が問題となるので,特に戦争など紙不足などの機会に,行間が狭くなる傾向があった.今日は,フォントが洗練され,また,オフセット印刷ということもあり,縦組で全角行間は少なくなり,ひどいのは1段組でも二分行間という本もけっこう目にする(これは,それなりに読めるが,私はけっこう苦労している).
>> 
>> ところで,本を読む場合,人は努力して読んでしまう.しょうしょう読みにくくても努力してしまう.それになれ,当然と思ってしまう.例えば,B6や四六版の縦組1段組の場合,以前は,本文9ポの場合,全角行間で15行,8ポイント行間で16行という本は,けっこうあり,それなりに読みやすかった.最近では,こうした本はめったにお目に掛かれない.多くが,行間を6ポとか5ポくらいにして18行という例が多い.なかには19行,20行という本もある.
>> 
>> これは,ある意味,紙の本ではページ数を少なくしたいという目的があるためである.Webでは,それは気にする必要性は少ないと思われる(ただし,1画面に一定のテキストを表示したい,ある程度の分量は見たい,という要求もある).
>> 
>> いずれにしても,行間は,1つのことだけでは決まらない.そのドキュメントやテキストの内容,目的や分量,見た目のバランスなども考慮しないといけないので,ある程度の技能が必要になるといえよう.(ですから,紙の本や雑誌は専門家が選択しているので破綻が,それほど多くないということかと思います.)
>> 
>> >もう一つ考えなければならないのは、和欧混植の場合をどうするか、です。下手をす
>> >るとどの文字が含まれるかによって行間がバラバラになります。広い方に合わせる?
>> 
>> 行中にラテン文字が部分的に入る場合は,問題はない.それは日本語であると考え,日本語での行間で考えればよい.和欧混植では,多くは,こうした例である.
>> 
>> しかし,ラテン文字と日本語が,同じくらい入ってくる例もある.この場合,以下の方法が考えられる.
>> 1 ラテン文字と日本語との両方の中間的な行間にする.ある種の妥協的方法.
>> 2 ラテン文字と日本語が段落単位で分かれていれば,ラテン文字と日本語を別々の行間にする.
>> 
>> 2の例は,APLの“日本語書記技術WG報告書”のなかの“Is EPUB part of the web? EPUBはWebの一部ではない?”で採用しています.

Received on Tuesday, 16 August 2022 00:53:52 UTC