- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Fri, 22 Jul 2022 15:57:50 +0900
- To: "Atsushi Shimono (W3C Team)" <atsushi@w3.org>, public-i18n-japanese@w3.org
"Atsushi Shimono (W3C Team)" 様 小林 敏 です. "Atsushi Shimono (W3C Team)" さんwrote > そういえば、両側ルビといえば、漢文の返り点? 漢文では,返り点,送り仮名,読み仮名,句点,読点や括弧類を合わせて訓点という. 漢文の返り点は,ルビの位置に付ける例は,ほとんどない.親文字と親文字の間に,文字サイズを1/2にして入れる. ただし,漢文に送り仮名と読み仮名が付く.この送り仮名と読み仮名は,ルビに似た処理を行う.その際に再読文字というものがあって,2回読む.最初の読み方は縦組でいえば,右側,2度目の読みは,左側につく. 例 未知生 未(いま)だ生を知らず 未は最初に“いま”と読み,2度目に“す”と読む で,未という文字には“いま”という読み仮名と“だ”という送り仮名,2度目の読みの“ず”という3種類のルビ的な文字が付く. 読み仮名は,ルビとほぼ同じ処理ができるが,送り仮名は,それだけの場合,一般に親文字の1/2の下端より組み始める.読み仮名が付く場合は,それにベタで続ける. ですから,機能的にいえば,漢文のルビ的なものには,送り仮名と読み仮名とがある.そして,返り点は,親文字の処理法として規定し,読み仮名の配置を決めれば,その処理法を規定できる. ただ,問題は,通常の本文と同じサイズで文中に引用文的に配置する方法以外に,親文字に大きなサイズを使用し(なかには字間と均等にアケ),返り点,送り仮名,読み仮名にかなり小さいサイズにし,長い送り仮名は2行にしたり工夫している.これのルールを規定するのは,すごく面倒です. ということで,ルビの機能から,漢文は,除外して考えた方がよいでしょう.
Received on Friday, 22 July 2022 06:59:09 UTC