Re: グループルビの折り返し

下農 様
木田 様
みなさな

 小林 敏 です.

>> セマンティクス(というか機能付けマークアップ?一緒か)のレイヤーではない
>> という印象を持っています。

そもそもルビという機能はありますが,その下位で機能の議論ができるのかな?

モノルビ,熟語ルビ,グループルビは,いずれも配置関係を決める方法です.熟語と名称にありますが,機能を示すというよりは,配置処理方法を示すものです.ですから,熟語ルビとグループルビは合併するかどうかの議論はできる.

もしルビを機能で分ければ,一例として以下のようなものが考えられます(括弧内はルビ).

a 文字(漢字)の読みを示す
 1字の漢字の読みを示す
  配置方法はモノルビ
 2字以上の熟語の読みを示す
  配置方法は,モノルビ,熟語ルビ,グループルビ(例:煙草(たばこ))とある

b 言葉の異表記を示す
 1字の言葉の異表記
  配置方法はモノルビ(例:法(ダルマ))
 2字以上の言葉の異表記
  配置方法はグループルビのみ(規則(ルール))

c 文字,言葉,文への補足を示す
  これの配置は,行間注というルビとは異なる配置方法にした方がよい.

d 文に対し,別の言語,又は異なる表記方法(古典を現代表記に)での文を対応させる.
  これは行間注,または,1行の中に2行の異なる配置ができる領域をつくり処理を行うのがよいのではないかな.

*活字組版時代のルビは,ひらがなルビとカタカナルビという区別をしていました.ひらがなルビがa,片仮名ルビはbといえるかもしれない.この場合,縦組で家(ホーム)という例と茜(あかね)という例があった場合,前者の“家”は親文字とルビの中心をそろえたが,後者の“茜”は,原則として親文字とルビの上端をそろえる方法としていた.(現在でも,ひらがなルビとカタカナルビとでは,処理法を変えている例もある.つまり機能が違うので配置方法も変える.)

なお,両側ルビは,a+a,a+b,b+bのいずれもあります.
 a+aの例 百済(ひやくさい,くだら),新羅(しんら,しらぎ),白村江(はくそんこう,はくすきのえ)…最近,この例をよく見る.
 a+bの例 昔話(むかしばなし,フオークストーリーまたはフオークテイル),


  Yasuo Kida さんwrote

>下農さん、
>
>なかなか鋭い指摘ありがとうございます。私の話の目的は W3C HTML WG だけではなく
>て、それをきっかけに jlreq-d に向けてルビの再構築を行えるのではないか、という
>目論見なんですよ。
>
>ルビをもう少しコンピューター屋さんのわかりやすい観点から説明できないかな、と
>いうことです。現在、モノルビ、グループルビ、熟語ルビ、と名前が三つあり、それ
>ぞれに色々な挙動があって全体がとても複雑に見えます。実際複雑です。しかし私の
>理解するところによると、構造は、ルビとそれをグループ化する方法、そのただ一つ
>です(まあ両側ルビを別とするとですが)。残りの複雑な挙動は全てスタイルです。
>
>グループルビの折り返しを許すことの結果として区切りの必要性が見えましたが、そ
>れはまさに熟語ルビの持っている機能の一つです。想像でしかありませんが、エンジ
>ニアにとっては、熟語ルビの本来の目的よりも、こちらの目的の方をより理解しても
>らえるのではと思っています。熟語ルビが理解されずにサポートを得られていません
>が、こちらから突けないかなと。
>
>スタイルも、これが「基本のデフォルト」、と一つ決めてしまえばその部分はずっと
>簡単になる。それが simple-ruby ですね。その先の部分は「高度なレイアウトに挑戦
>する人用」。でも、HTML 構造は熟語ルビ含めて既にできている。
>
>ということで、下農さんの問いに帰ると、全体の捉え方が変わってくると、構造の必
>要性・重要性も変わってくる。細かいところまでそれが成り立つか調べないと全体が
>成り立つかわからない。ゆえ、構造だけ取り出して議論はしにくいのでは、と考える
>次第。
>
>木田
>–––––
>追伸1: 現在 HTML で実装されていなくて、かつ村田さんたちが重要だと考えておられ
>る機能、言い換えると W3C HTML WG の重要な仕事はなんでしたっけ?
>
>追伸2: 構造というと、「両側ルビは別とすると」と逃げた問題にちゃんと正面から向
>き合う必要があります。私のラフな理解は:両側ルビは注釈。注釈とルビの根本的な
>違いは、ルビはどの位置にルビのどの文字がかかるかが重要で、そのための工夫がた
>くさんある。注釈は、単に単語だと読み手が認識するものに大体ついていれば OK。な
>ので、注釈は脚注にしても大丈夫。その理解で、両側ルビは脚注にしちゃえば?と思
>っています。ちょっとまだ議論が乱暴で調整が必要でしょうが。
>
>
>> 
>> 2022/07/20 14:18、Atsushi Shimono (W3C Team) <atsushi@w3.org>のメール:
>> 
>>  shimonoです
>> 
>> On 2022/07/16 16:15, Yasuo Kida wrote:
>> > 村田さん、
>> > ぜひ対象にしましょう。そのためにもうちょっとここで話をまとめる必要があり
>> > ますね。
>> 
>>  ちょっと違和感を感じているところなのですが、いまここで議論している大半の
>> ことはプレゼンテー
>> ションの話であって、HTML WGでのRuby関係の話の本論であるはずのセマンティクス
>> (というか機能付
>> けマークアップ?一緒か)のレイヤーではないという印象を持っています。
>>  木田さんがマークアップのサンプルを上げてらっしゃいました(rbでの順序対応
>> 関係が実装されてな
>> い現状では動くようにするためには<rt></rt>で囲って最後でなくてそれぞれで入れ
>> るしかないですけ
>> れど)が、あのようなグループルビなどの構造をどうやってマークアップに落とす
>> か以上の話はほぼす
>> べてCSSなんではないでしょうか、、、
>> 
>> 
>> # どのみち似たようなグループでの議論になるんだからとりあえずまとめちまえ、
>> というのはちょっと
>> 本件については乱暴すぎる気がします・・・
>> 
>> 
>> > 今のしているのは「グループルビが分割禁止になっているのは、行の大きな調整
>> > 要素になるし、破綻の原因になるので、折り返しを許してはどうか」という話題
>> > です。
>> > 折り返しを許す場合:
>> > ・違和感のある折り返しが起こる可能性がある。コントロールするためには、熟
>> > 語ルビを使えば良いのでは
>> > ・折り返しのヒューリスティックについて説明する必要があるだろう。例えば折
>> > り返した先にルビが一文字もないのは困る
>> > そんな議論です。
>> 
>>  ということで、ここら辺(↑)でなく、
>> 
>> 
>> > グループルビは、必ずしもグループルビという用語を理解してもらう必要はない
>> > のかなと思っています。ルビの単位が一文字より大きければそれはグループルビ
>> > なんですから。用語を増やすとそれだけ複雑に見えますので、両方まとめて「ル
>> > ビ」で良いと私は思います。
>> > 熟語ルビは、熟語ルビと説明するよりも、ルビをグルーピングする機能が欲しい。
>> > と言った方が分かりやすいかも。
>> 
>>  こういう議論なのかな、と。。
>>  もちろん、ルビ文字をどうやって配置していくか(親文字との配置上の対応)と、
>> 改行どうするんだ
>> 話の決着次第で、必要とされる構造やマークアップも多少変わるのかもしれません
>> けれど。。
>> 
>> 
>> > 例えば、京都(きょうと):「京」の読みが「きょう」で、「都」の読みが
>> > 「と」。独立の二個のルビにすると「京」に対して三文字のルビが対応するので
>> > 親文字の字間を開ける処理が必要になってしまう。ので「京都」ひとまとまりに
>> > 対して「きょうと」のルビを振りたい。が、これを折り返す場合は、「京(きょ
>> > う)都(と)」となってほしい。「京(きょ)都(うと)」になってしまうのは
>> > 漢字の読みから言って正しくないので避けたい。
>> > ルビの折り返しを許すと、いわゆる熟語ルビ(既に利用方法は異なりますが)の
>> > 重要性が高くなるように思います。
>

Received on Friday, 22 July 2022 06:33:38 UTC