- From: Koji Ishii <kojii@chromium.org>
- Date: Thu, 30 Jun 2022 05:05:15 +0900
- To: 木田泰夫 <kida@mac.com>
- Cc: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>, JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
- Message-ID: <CAHe_1dKjn-sp73ZLGJ7ANk2HKBNxA2B+xC97TAsCpHAxiUpf2w@mail.gmail.com>
敏先生 > 注)Wordでは,書式の設定で四分アキが選択できる.ただし,行頭・行末そろえを選ぶと,このアキは可変である.私はこれを避けるために WordはJIS X4051準拠を謳っていたので、そのまま実装せざるを得ませんでした。もっとも実装前は良いものだと思って実装しましたが、おっしゃられている点は、まさしく、と感じます。実装後の評価では、ふところの小さな書体で印刷すればきれいに見えることもあるんですが、画面では読みやすさのために字面を大きめに取るフォントが多く、アキ過ぎが気になりました。4051の通りに実装しているのに、ここだけはプロの印刷物の品質よりもだいぶ低いと感じていたので、ご説明いただいて、得心しました。 デフォルト値については、決めるのは難しい気がします。敏先生もおっしゃられていますが、デフォルトのフォント、画面か印刷か、文書の用途などによって求められる値は違ってくるためです。個人的意見としては、Webは画面上のfast mediaなので、デフォルトは「なし」が好ましいと思っていますが、印刷中心の方もいらっしゃるでしょうし、ルビであったような読みやすさや誤読の可能性など、定量的な指針がなく、個人の好みと文書の用途次第の問題であれば、議論が収束することはないのではないかと危惧されます。 フォントによるなら、フォントにデフォルト値を持たせるのが良い気がしますが、OpenTypeに追加したとしても、フォントデザイナーが適切な値を設定できるか、というと、現実的には少し難しい気がしますね。 Natと太郎さんのお話は、最大の利用場面をすべてカバーしておけば、どんな用途にも対応できる、と理解しました。それはおっしゃるとおりだと思います。その場合、高機能になる分、実装される可能性が下がってしまうので、そこが難しいところですね。 空白の議論は、ちょっとピンときませんでした。ユーザーが入れるのか、ブラウザーが自動的に入れるのか。入れるとしたら、表示時にだけ入れるのか、コピーした時にも入れるのか、など、「入れる」「入れない」以外の議論があると思うんですが、その辺がはっきりしない状態で意見交換がされているような印象を受けます。全部の議論を追っていないので、どこかできちんと議論されていたらすみません。。。 On Wed, Jun 29, 2022 at 3:51 PM 木田泰夫 <kida@mac.com> wrote: > 敏先生、U+0020 を挿入する方法ではまずい理由、この説明でよくわかりました。ありがとうございます。 > > 同じテキストに対し、レイアウトによって、空白が必要な場合と不要な場合がある。ゆえこれは文字データではなくレイアウトの問題であるということですね。 > > 木田 > > > 2022/06/29 8:23、Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>のメール: > > > > みなさま > > > > 小林 敏 です. > > > > 和欧文間を空ける処理にU+0020などのスペースを使用する問題の補足 > > > > 横組と縦組の変換が予定されているWebでは,U+0020などのスペースを使用することは問題である. > > > > 縦組でラテン文字を配置する場合,以下の2つがあります. > > a 文字を90度回転させて配置 > > b 文字を正立させて配置 > > > > aの場合は,横組と同じで,和欧文間を四分空ける等の処理を行います. > > bの場合は,横組と異なり,通常は和欧文間はベタ組にします. > > > > > 注1)ラテン文字の文字の外枠と字面とのアキは縦方向と横方向では異なります.縦方向のアキは文字にもよりますが,横方向より大きくなります.したがって,bでは,和文とラテン文字の間を空ける必要性は少なくなるということからの処理です. > > > > > 注2)印刷された書籍で,bでも四分空ける処理を行っている例があますが,これはaの書式の設定がbでも有効となり,空けられたもののように思います.きちんとした組版処理を行っている書籍のbの場合,四分空ける処理は行っていません. > > > > 次に縦組でbの処理を行う方法ですが,“A”を例にすると,以下があります. > > 1 U+FF21を使用する. > > 2 U+0041を使用し,書式の設定で文字を正立させる. > > 3 U+0041を使用し,縦中横の書式の設定で文字を正立させる. > > > > > 1の方式では,通常は,U+0020などのスペースなどは挿入しません.しかし,これをそのまま横組にした際に問題がでます.きちんとした組版ではU+FF21の使用は望ましくないといわれています. > > > > 2や3の処理を行う場合,U+0020などのスペースなどが挿入されていると,和文とラテン文字の字間がスペースにより空いてしまいます. > > > > こうした問題があるので,U+0020などのスペースなどを挿入する方法は望ましくないといえるでしょう. > > > > 以上です. >
Received on Wednesday, 29 June 2022 20:05:43 UTC