- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Wed, 29 Jun 2022 12:43:30 +0900
- To: Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com>, 木田泰夫 <kida@mac.com>, JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
Taro Yamamoto 様 みなさま 小林 敏 です. Taro Yamamoto さんwrote >木田さん、 > >> ・歴史的にだんだん狭くなってきた > >これは、欧文のワードスペースのことなので、和欧間のスペースの話とは直接関係ありません。 私の認識では,和欧間のスペースの話です.そのデフォルトの値が問題です. 従来は,四分固定しかありませんでした.しかし,QuarkXPressが使用された際に, 和欧間のアキが指定でき,四分(0.25)という設定が可能でした.しかし,この四分の基準となる大きさは全角ではなく,二分でした(設定にもよるが正確にはちょっと違うが).マニュアルを詳細に読めば,それはわかることでしたが,そうでないためか,四分アキにしよとして,四分(0.25)と指定したので,結果として和欧間のアキが八分になったのではないかなと思われる例をよく目にしました. ところが,この和欧間のアキが八分でも,けっこう問題ないというか,これでもいいではないか,という判断があったのかもしれません.(実をいうと和欧間のアキを目だけで見て判断できるのは結構むつかしいのです.) こうしたこともあり,和欧間のアキは四分ではない例も,今日は目にするようになっています. また,30年ほど前に,写研のシステムを使用し,和欧間のアキについて,二分からベタまでの組見本を作成し,日本エディタースクールの講師からアンケートをとったことがあります.正確なデータは手元に残っていないのですが,五分または六分がよいという意見が多かったように記憶しています. 和欧間の四分というアキは,ある意味で活字組版の技術的な制約からきているように思います.印刷所によっては,7ポイントの六分,9ポイントや8ポイントの八分というスペースを常備していた印刷所もありましたが,それは一般的ではなかったでしょう. ですので,私は,和欧間の四分はややアキ過ぎで,もう少し詰めてもよいと思っています. ただ,それは本文を処理する際に決めるということが前提であり,和文中に挿入されるラテン文字は1文字の小文字や大文字もあれば,単語,さらに語間のある複数など様々です.こうした状況により,望ましい和欧間のアキは変わってきます.これに対応することは,やって出来ないことはないでしょうが,現実的ではない.となると,ある平均的な値を1つ選ぶしかないということです. このデフォルトの値は,私は四分より狭くてもよいのでは,と思っていますが,たぶん多数派ではないでしょう.(こんなことする人はいないでしょうが,私の本を読む際,この和欧間のアキは気にする注意点の1つで,そうした経験からの判断です.) もし決めるとすれば,山本さんが主張されるように四分というのが妥当だろうと思っています.
Received on Wednesday, 29 June 2022 03:44:51 UTC