木田さん、
> ・歴史的にだんだん狭くなってきた
これは、欧文のワードスペースのことなので、和欧間のスペースの話とは直接関係ありません。
> ・調整前のデフォルトの値を提示する必要があると思いますが、それは 1/4? 1/6? 1/8? または欧文スペースのように書体デザイナーが決めるべき?
欧文のワードスペースは欧文書体の属性に大きく依存するだけでなく、欧文書体で独立して幅を設定可能なので、そのデザイナーが設定すべきなのです。しかし、和欧間のスペースは、和文と欧文の両方の書体属性に影響されるとはいえ、その最適値を、誰かが独立して設定することは不可能です。なので、欧文のワードスペースとは逆の意味で、和欧間のスペースの幅は、デフォルトの値が設定可能なのであり、設定することが必要なのだと考えます。
その和欧間のスペースのデフォルトの値は1/4 EMが良いと思います。1/4 EMが従来広く用いられてきたからです。実際、私が手動写植機を使っていた頃に読んだ教科書の高島義雄著『印刷ハンドブック 活版整版技術編』(日本印刷技術協会、1967年刊行)にも「4分あける」(同書p. 80)と書いてあります。(ちなみに、欧文のワードスペースについては、この本では、「3分ずつあけていって,行末調整のために語間をあける場合でも,2分を最大にしてできるだけつめる。3分を4分にしても詰めるべきで,あけることは禁物である」(同書p. 94)としています。昔ながらの「欧文語間は1/3 EM」を踏襲しつつも、2分なんてのは最悪の場合であって、むしろ詰める必要があれば3分よりも詰めても良いのだという指摘です。The Chicago Manual of Styleのあるバージョンでの記述内容と符合しています。さすが、分かってらっしゃる。)
とはいえ、小林さんが仰っているように、特に商業印刷物や見出しでは、もっと狭い和欧間スペース方が良い場合は多くあります。しかし、そのことは印字サイズが大きくなったり、タイトな組み上がりの効果が好まれる用途では、和欧間のスペースに限らずあてはまる場合が多く、それを完璧に最適化するには、個別事例ごとに設定することが必要になるわけで、デフォルト値の設定を1/4 EMより今すぐにより狭い幅に変更する強い根拠とはならないのでは、と思案しますが、如何。
>・Nat はコンテキストによって可変、敏先生は固定、と両名反対のことを言っておられるように読みましたが、いかがでしょう?
Natに賛成します。
山本太郎