- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Sat, 30 Oct 2021 13:07:53 +0900
- To: "Atsushi Shimono (W3C Team)" <atsushi@w3.org>, W3C JLReq TF <public-i18n-japanese@w3.org>
下農 様 みまさま 小林 敏 です. >C-f) C-#46-5 >5 Mono-ruby section talks about what happens when there’s punctuation before/after the base. What about punctuation in the annotation? In the base itself? いやな質問ですね.あまりふれたくない話題です.でも指摘された以上,何か対応しないといけないでしょう.ドキュメントには影響はないかと思います. この際ですから,話題は広げて解説いたします.以下ではルビを括弧内に入れて示す. 1 ルビか行間注か 私は,ルビは,対象となる親文字は字か語(複合語か同程度のものを含む,以下同じ)と考えたいのですが,以下のよう例もあり,ちょっと悩ましいところです. ルビの範囲としてもよい例 掲載不決定判定(リジェクト) 支配的な規則(ルール) なげきの聖母像(ピエタ) つめあわせたもの(パツケージ) ルビの範囲か,悩ましい例(ここに示す例は文に近く,ルビではなく,やるなら行間注でと考えたい) 一方をたてれば他方はなりたたない(トレードオフ) 理論で説明できない現象(アノマリー) 私は何を知っているのか(クセジユ) 2 親文字の文字種 原則として漢字ですが,仮名だけ(仮名の語にカタカナのルビが付く),あるいは漢字に送り仮名がついたりした例はあります.片仮名が親文字という例はあまりないでしょうが,片仮名のルビがついたものについて,親文字とルビを逆転させれば,ありえるでしょう. 例:かせぎ(ベネフィット),天の川(あまのがわ),飾り(アクセサリー) また,ラテン文字が親文字になる例は,ドキュメントでも示しているように,あります.複数の語につける場合は,ちょっと思いつかないが,句の場合は,ルビの範囲を超えると考えていいかもしれない. 次に約物はあるか? ないわけではないが,ほとんど見かけない.ルビは字または語と考えれば,ないといえよう.約物が付くのはルビの範囲を超えると考えてもよいかもしれない. 2 ルビの文字種 平仮名と片仮名が主です.漢字は,活字組版の世界では考えられなかった.ただし,漢字ルビという考え方もあり,親文字9ポイントに対し,6ポイントの漢字を付ける例はあった.現在では,小さな漢字をルビとして付けることは可能で,実際に漢字をルビとして付けている例はあります. 例:グッドアイデア(良い考え),山岳党(モンターニュ派) 漢字は,以下に述べる約物のような問題は出ませんので,ルビに含めてよいかもしれない. また,ラテン文字を付ける例はありますし,語間のある複数の語になる場合もあります. 次に約物.複合語の例はあるので,中点を使用した例はけっこう見かけす. 例:時代精神(ツァイト・ガイスト) ただし,親文字が長く,ルビの字間を空ける場合,中点の前後を狭くする考え方もありますが,仮名と同じアキで処理する例が多く,仮名と同じ扱いにすれば問題はでません.ですから中点はルビで使用できると考えないといけないでしょう. なぜ句読点や括弧をルビに含めると問題かというと,ルビの先頭の末尾にある句読点などの前後のアキをどうするか,また,途中にある場合には,ルビの字間を空ける場合にどうするかを決めないといけないからです.句読点などアキがあるので,字間を空ける際に,そこは空けないという考え方と,いや空けるのだという考え方があります.字か語と考えれば,ルビの範囲外となります.私は,範囲外,やりたければ行間注だと考えたい.
Received on Saturday, 30 October 2021 04:10:54 UTC