Re: ルビでこんな実験が

みなさま

 小林 敏 です.

文字での表現は,主要な目的からはずれていく表現が出てくるのは,いいことか悪いことか,人により判断は分かれるでしょう.どうしても文章では,線状性を持ちますから,複数の事項を同時に表現したい場合に,工夫が必要なのです.ルビはたしかに使い勝手のよい方法ですが,ある程度の限定をつける必要はあるだろうし,その限定的な範囲(どこに線を引くかは問題ですが)に止める必要があるように思います.

複数を同時に表現したい場合,いろいろ方法があって,ルビでなくても表現できます.例えば,括弧で括ってもよいでしょう.

なお,括弧そのもので補足することも採用しない,つまりパーレンを使うことはまかりならぬ,という方針の出版社もあります.パーレンを使わずに,本文の書き方いかんでパーレンを使わずに表現を工夫すれば出来るという考え方です.つまり,線状性を保ちながら,文章の工夫次第で,複数を表現できるということかもしれません.(声に出して話す場合は,線状性は根本的な条件で,そこで表現できるのなら,文章でも工夫すれば可能でしょう.)

あと,見本を見て,ルビは行間の中心に配置しているのかな? 親文字とルビは行送り方向で仮想ボディで接しているのが原則で,親文字と離れすぎのようです.Webでは,親文字とルビは行送り方向の位置が,どうかな,と思われる例を見かけます.

  木田泰夫 さんwrote

>村田さんにはウケが悪いと思いました ^^;
>
>ルビは、それが生まれた当初から、読みを表すことに加えて、このように単語表現を
>多重にすることに使われていたのだったかと記憶しています。本来の言語を保ったま
>ま漢字を導入した元々複層の構造のある日本語に独特な現象かもしれません。この例
>はエディタの実験ですから極端ですが、連綿と受け継がれてきた表現方法が、このよ
>うなオンラインエディタにより誰もがより簡単に使えるようになりつつあるというこ
>とでしょう。
>
>このようにな表現方法がより広がった時にそれをどのようにアクセシブルにするかは、
>村田さんの報告書にあるように場合分けが必要なゆえに、頭の痛い課題ですね。
>
>木田

Received on Thursday, 22 July 2021 02:19:15 UTC