- From: MURATA <eb2mmrt@gmail.com>
- Date: Thu, 11 Mar 2021 15:37:26 +0900
- To: JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
- Message-ID: <CALvn5EAQEEUtnLXNJ19ZS7JwRpnLVGVCa2hVSt9CGXFMNyBDLg@mail.gmail.com>
みなさん、 この前、口頭で話したことを書いてみました。あとで、 CITPCJの資料もお送りします。 フォントと表示アプリの間の関係を整理し、きちんとした 原則を立てるべきだと私は考えています。そうでないと、 オープンなモバイル環境での文書交換に対処できないと思 います。 現状: フォントが提供するGSUBなどはただのヒントでしか ない。つまり、フォントはGSUBなどを提供する義務はな い。提供されていても表示アプリにはそれを尊重する義務 はない。 フォント提供側からすると、表示アプリによってどの情報 が使われ、どの情報が無視されるかは分からない。 表示アプリ側からすると、どの情報がフォントの一部として 提供され、どれが提供されないかは分からない。 これまで何とかなったのは二つの理由による。 - オープンな文書交換をしない(表示アプリもフォントも決め打 ちでき、他での再生は考えなくてもよかった)。 - AJ1が規範として機能してきた。 問題点 モバイルでの文書交換が頻発する今日では、どの表示アプリ が用いられ、どのフォントが使われるかはその場になって みないとわからない。とくに、AJ1フォントになるのか、 TrueTypeフォントになるのかわからない。 こうした変化によって問題が顕在化してきた。日本語EPUB だと、どの文字が寝るのか、どの文字が正立するのかは、 やってみないとわからない(文字情報技術推進協議会で調 査中)。 EPUB文書作成側は画像埋め込みによって問題に対処してきた (アクセシビリティ最悪)。 縦書き年賀状アプリには、文字コードを使うことをきっぱ り諦めてグリフIDを直接使うものすらある。 あるべき姿(村田意見): フォントと表示アプリの間の契約を確立すべき。 フォントは何を指定しないといけないかが決まっている。 その義務を果たさないフォントは適合しないものとして扱 う(存在を認めないと言っているのではなく、普通の契約 に従わないからオープンなモバイル環境での文書交換に使 えないというだけ)。 表示アプリは、フォントが提供するものを尊重しなければ ならないことが決まっている。(尊重しないものは、普通 の契約に従わないのでオープンなモバイル環境での文書交 換に使えない)。 全部が全部ガチガチにはできないとは思いますが、少し ずつ義務化がされていくべきと思います。CSS Writing Modesも、vertを使うこと(the OpenType vert feature must be enabled)と書かれています。 -- -- 慶應義塾大学政策・メディア研究科特任教授 村田 真
Received on Thursday, 11 March 2021 06:38:15 UTC