- From: Koji Ishii <kojii@chromium.org>
- Date: Tue, 9 Mar 2021 17:42:23 +0900
- To: 木田泰夫 <kida@mac.com>
- Cc: JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
- Message-ID: <CAHe_1d+zi4cwRJZOHd_nV4FAxw+5FMk99My9N1zEc9VhespkJA@mail.gmail.com>
木田さん、お返事ありがとうございます。ご質問のお返事をインラインで。 On Tue, Mar 9, 2021 at 9:12 AM 木田泰夫 <kida@mac.com> wrote: > 石井さん、ありがとうございます。入りましたか。 > > これはフォントに chws テーブルがないと動かないのですよね? はい。 > いくつか質問が: > ・chws をきちんと読めと言われそうですが、カバーされない場合など、我々が注意すべき点はありますか? > 現時点、JLREQのすべてのケースはカバーできていません。いろいろな考えがあると思いますが、私がこれをデザインした時点での第一のモチベーションは、まずは実装をなるべく広げることであり、約物が連続するなど「まばら度合い」がより目立つ部分があらゆるアプリケーションで処理できることを優先しています。カバーするケースを増やすことは徐々にやっていければ、と思っています。 JLTFでもご検討いただけるのであれば、2つの側面があるかと思います。一つは、実装を広めるにはどうすればいいか。もう一つは、現在カバーできていないケースをどうやって広い実装に導いていくか。 処理するペアがフォント側に記載されるので、フォント固有の挙動を入れられる、例外的なフォントをアプリで処理する必要がない、などのメリットがある反面、フォントデザイナーが決めなければいけない、というのはデメリットにもなりうるとも思っています。日本語では、フォントデザインと組版技術が割と離れているので、どうやって広めていくか、とか。また、CSSとの関連などもどこかで整理する必要があるかもしれません。こういったところの課題出しも大きくプラスになるかと思います。 ・これが入っているフォントとそうでないフォントとを、レイアウトを行う側で見分けて動作を変える必要がありますね? > これは、必要ないようにデザインされています。機能はデフォルトオフなので、WordやInDesignなどエンジン側で処理するアプリは、今まで通りで、変更の必要がありません。これらのアプリがフォントごとに詰め処理をチューニグしたい場合には、 halt <https://docs.microsoft.com/en-us/typography/opentype/spec/features_fj#tag-halt> を使います。 レイアウトエンジン側で詰め処理を持たないアプリの場合には、chwsをオンにすることで、chwsに対応したフォントであれば、連続役物が正しく処理されます。ChormiumはM90からデフォルトオンですが、 このページ <https://kojiishi.github.io/chws/test.html> のように font-feature-settings <https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/CSS/font-feature-settings> でページ作者がオンにすることもできます。 > ・今後は全てのフォントがこのテーブルを備えるべき、という方向にすべきですか? > 私はそう思っています。そういう活動をしていくつもりでもあります。Wordに実装した1993年頃、フォントでやるべきじゃないかという意見がありましたが、その方法だと全部のフォントに入るのに10年かかるよ、と思ったのを覚えています。それから28年経って、未だにWordやInDesignなど、ごく一部のアプリでしか実装できていません。次の10年後には、間延びした連続役物を撲滅できているといいなと思っています。 JLTFでもご賛同いただけるなら、非常に心強いです。
Received on Tuesday, 9 March 2021 08:42:48 UTC