Re: 火曜日のミーティング

木田さん、お返事ありがとうございます。ご質問のお返事をインラインで。

On Tue, Mar 9, 2021 at 9:12 AM 木田泰夫 <kida@mac.com> wrote:

> 石井さん、ありがとうございます。入りましたか。
>
> これはフォントに chws テーブルがないと動かないのですよね?


はい。


> いくつか質問が:
> ・chws をきちんと読めと言われそうですが、カバーされない場合など、我々が注意すべき点はありますか?
>

現時点、JLREQのすべてのケースはカバーできていません。いろいろな考えがあると思いますが、私がこれをデザインした時点での第一のモチベーションは、まずは実装をなるべく広げることであり、約物が連続するなど「まばら度合い」がより目立つ部分があらゆるアプリケーションで処理できることを優先しています。カバーするケースを増やすことは徐々にやっていければ、と思っています。

JLTFでもご検討いただけるのであれば、2つの側面があるかと思います。一つは、実装を広めるにはどうすればいいか。もう一つは、現在カバーできていないケースをどうやって広い実装に導いていくか。

処理するペアがフォント側に記載されるので、フォント固有の挙動を入れられる、例外的なフォントをアプリで処理する必要がない、などのメリットがある反面、フォントデザイナーが決めなければいけない、というのはデメリットにもなりうるとも思っています。日本語では、フォントデザインと組版技術が割と離れているので、どうやって広めていくか、とか。また、CSSとの関連などもどこかで整理する必要があるかもしれません。こういったところの課題出しも大きくプラスになるかと思います。

・これが入っているフォントとそうでないフォントとを、レイアウトを行う側で見分けて動作を変える必要がありますね?
>

これは、必要ないようにデザインされています。機能はデフォルトオフなので、WordやInDesignなどエンジン側で処理するアプリは、今まで通りで、変更の必要がありません。これらのアプリがフォントごとに詰め処理をチューニグしたい場合には、
halt
<https://docs.microsoft.com/en-us/typography/opentype/spec/features_fj#tag-halt>
を使います。

レイアウトエンジン側で詰め処理を持たないアプリの場合には、chwsをオンにすることで、chwsに対応したフォントであれば、連続役物が正しく処理されます。ChormiumはM90からデフォルトオンですが、
このページ <https://kojiishi.github.io/chws/test.html> のように font-feature-settings
<https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/CSS/font-feature-settings>
でページ作者がオンにすることもできます。


> ・今後は全てのフォントがこのテーブルを備えるべき、という方向にすべきですか?
>

私はそう思っています。そういう活動をしていくつもりでもあります。Wordに実装した1993年頃、フォントでやるべきじゃないかという意見がありましたが、その方法だと全部のフォントに入るのに10年かかるよ、と思ったのを覚えています。それから28年経って、未だにWordやInDesignなど、ごく一部のアプリでしか実装できていません。次の10年後には、間延びした連続役物を撲滅できているといいなと思っています。

JLTFでもご賛同いただけるなら、非常に心強いです。

Received on Tuesday, 9 March 2021 08:42:48 UTC