- From: MURATA Makoto <eb2m-mrt@asahi-net.or.jp>
- Date: Mon, 3 Aug 2020 12:14:16 +0900
- To: 木田泰夫 <kida@mac.com>
- Cc: W3C JLReq TF <public-i18n-japanese@w3.org>
- Message-ID: <CALvn5EDQi3w3pMJTTKCMJVLzFPXNx9QB=mgxx9JON_v2=N0WgA@mail.gmail.com>
木田さん、 > > ただ、それよりも私が気になったのは、2) で述べられていることの齟齬です。ここ、別個の要求である、と言ったほうが良い理由がありますか? > その場合は、2) の表現を工夫して齟齬を解消する方向が良いのかも? > > 齟齬はありますか?別個のものであっても、どちらとも言える ものがあるのは、よくあることではないでしょうか。カモノハシとか、 コウモリとか。典型的なものが違えば、違う要求といってそれで 良いと思います。分類とはそういうものではないでしょうか。 別物にしたい理由は、ルビを扱えるようにするための標準化するが 行間注を扱えるようにするための標準化はしないという 整理(これは一例)がしやすくなるからです。 というわけで、私は1)については「違う」を「別の」にするだけで いいと思います。 > >> 2) > ルビと行間注のどちらとも言えるものはいろいろある(たとえば人物の生没年、欧文の和訳)。両者を区別する決定的な方法はない。ただし、ルビの場合は、親文字とルビの全体を合わせるという考えがあるが、行間注の場合にはないとは言える。 > >> 改行が可能かという点も大きな違いの一つだと思います。 > > > > 熟語ルビの場合は改行ありなので、私はそう思いません。 > > > 確かに。ですが、熟語ルビが改行可能なのはあらかじめ明示的に指定した点だけですよね。親文字が折り返したらそれに伴って対応部分が移動する。対して注は、親文字とは独立に日本語の通常の折り返し規則によって折り返すことができます。 > > その意味でも、村田さんが最初に書かれた親文字列との対応の重要性の有無がルビと行間注との違い、というのは私も深く同意するところです。 > では2)は修正なしでいいですか? > > 💡! > 逆にそれを逆手にとって、曖昧に見えるルビと行間注の境目をある程度明確にできる可能性があるかもしれませんね。親文字列範囲との対応が重要なのがルビ(振り仮名とは限りませんが)。厳密な対応が重要でないのが行間注。依然として意図に左右されて、特に短い場合は形式で見分けることはできませんが、2) > でここが違いだ、と言うことで 1) でいう「異なる」を表現できるかもしれません。 > > 例えば昨日の敏先生の例は、おそらくこれらは訳として書いてあって行間注。しかし半ばそう読ませたいとの意図がもしあるなら、ルビ。 > > rough でこぼこのところ > textbook method 教科書どおりの方法 > as if on cue あいずでもあったかのように > > >> 3) HTMLのruby要素とCSS Rubyは、ルビというユーザ要求を実現しようとしている。 > >> 4) HTMLにもCSSにも、行間注というユーザ要求を実現するための機構はない。 > >> 5) 行間注は、印刷物向けに最適化されたレイアウト機能であり、これからの電子化文書に適しているかどうかは疑わしい。 > >> 適していないという材料は特に出てきていないと思います。見落としていたらすいません。 > > > > 私が書いていませんでしたね。 > > > > > まず、行間に文字を埋め込むという時点で読みにくいことは間違いありません。目の悪い人にはとくにそうです。山本有三がルビを嫌ったのはこれが最大の理由でしょう。 > > > > > しかし、ルビには、この欠点を上回るメリットがあります。読み飛ばすのが簡単だし、読みを知りたいと思ったら視線をすこし上に動かすだけでいい。なお、括弧書きが嫌われる(これは慶應義塾の中野先生の調査結果にあります)のは、読み飛ばすには視線を動かさないといけないし、読みを知りたいと思ったときには視線を行きつ戻りつしないといけないからだと推測しています。 > > > > 行間注も同じようなもんですが、長い分だけルビよりさらに読みにくいと思います。 > > これは従来の紙の文書にも共通する問題点ではありませんか? 問題点があるので、将来的には使われるべきではないと考える、とかなら理解できますが。 > 紙だと代替手段がほぼありませんから仕方がないですが、電子化文書 だと、 ハイパーリンクやポップアップにして、もう行間注はやめるべき と思います。 5) 行間注は、印刷物向けに最適化されたレイアウト機能であり、 これからの電子化文書に導入する強い理由はない。 でどうでしょう。 > > >> プライオリティは高くなさそうという材料がいくつかあります: > >> ・脚注やサイドノートなど代替えの手段がいくつかあって、また電子媒体ではポップアップやリンクなど新しい方法も考えられる。 > >> ・行間注の体裁は、その一番重要な特徴である行間にあることを含め、多くの部分は現在の ruby でも実現できる。 > >> 6) ルビとも行間注と言えるものが、HTMLのruby要素とCSS Rubyを使って表現されることはある。 > >> 長い行間注以外は、現在の html / css > で可能、と言ってしまっても間違いとは言えないように思います。行間注独特の仕様が必要になってくるのはテキストの長さですよね。 > > > > 読み上げのことがあります。ルビは読み上げないのがrule of thumbだと思いますが、行間注ではどうでしょう > > 脚注やサイドノートと同じに扱うのが筋が良さそう? > 画面で読めない状況だと、リンクも、脚注も、傍注も、行間注も、 みんな同じだろうと推測します。読み上げのとき、他へのリンクが 張られているかどうかをどうやって認識するんでしょうね?ちょっと試 してみましたが、分かりませんでした。 村田 真 > > 木田 > > >> 実際のところ、この ruby は改行してもいいよ印があれば、重要な違いがカバーできるのではないでしょうか? > >> 木田 > >> 村田 真 > >> 2020年8月2日(日) 11:08 Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>: > >>> 石井 様 > >>> みなさな > >>> 小林敏です > >>> 行間注をWebで採用する必要は,少ないと思います.ただ,注(行 > >>> 間注)としてルビの機能を用いることは,問題を起こすことになる > >>> かと思い,“Rules for Simple Placement of Japanese Ruby”で > >>> は,適用範囲外と考えたのです.そこで,注(行間注)とルビの区 > >>> 別が問題になっているわけです.ルビか注かは,指定によるという > >>> ことも問題があり,そこで,1つの方法として考えられるものを示 > >>> したわけです. > >>> 石井さんがおっしゃるように,典型的なルビと注を比べた場合,あ > >>> きらかに違うものです.しかし,ルビはある意味で補足説明であ > >>> り,注も補足説明と考えれば,その中間的なものはいろいろあり, > >>> 決定的な区別は何かと考えると,いくつか,考えてみたのですが,けっこうむつかしくなります. > >>> 表現する内容で考えた場合,以下のような例をルビで処理しても, > >>> 注と考えてもいいように思います. > >>> rough でこぼこのところ > >>> textbook method 教科書どおりの方法 > >>> as if on cue あいずでもあったかのように > >>> 振り仮名をルビと考え,それを言葉の後ろに括弧で示せるという区 > >>> 別は,注でも補足説明を括弧で挿入する方法がありますので,括弧 > >>> 書きが可能かどうかでは区別がつきません. > >>> 次に,文字種で,ルビに用いられるのは“仮名”と“ラテン文字”だけ > >>> ということは,活字組版が前提であれば言えたことですが,現在は > >>> 漢字をルビ文字列に含めることは可能ですし,そうした例もありま > >>> す.(活字組版では振り漢字といい,ルビの形式で漢字を用いたこ > >>> とがありましたが,本文9ポに対し,ルビは4.5ポ,振り漢字は6ポ > >>> ということが普通でした.) > >>> 親文字もしくはルビ文字列の単語数でも区別するのはむつかしいで > >>> しょう.単語に外来語のカタカナを付ける方法をルビとしたので, > >>> カタカナをラテン文字とした場合もルビとして扱っています.この > >>> 場合,ラテン文字の文字列は複数もありえるが,では,何語まで, > >>> あるいは,phraseはいいが,ではclauseは,さらに文はとなると, > >>> どこに線を引いいてよいか,むつかしいでしょう. > >>> Koji Ishii さん wrote > >>>> 「ルビ」と「行間注」はそれぞれ似て非なる2つのレイアウト機能だと思っています。 > >>>> セマンティックには「ふりがな」か「注釈・説明」だと思うのですが、Wikipediaのルビ > >>>> <https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%93>が > >>>>> ルビ(英語: ruby)は、文章内の任意の文字に対しふりがな/説明/異なる読み方といった役割の文字を > >>>> とあるので、注釈 ・説明 には、ルビ、行間注、割注、脚注などさまざまなレイアウト手法が適用できる、ということではないでしょうか。 > >>>> ふりがな < > https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%AF%E3%82%8A%E4%BB%AE%E5%90%8D > >には、括弧で示す方法とルビがあるので、HTMLのタグとしては厳密には > >>>> <furigana> だったんだろうとは思いますが、一般理解的には <ruby> > >>>> の方が理解されやすいのか、まぁ、今更変更も大変ですが、日本人としては、括弧で示されたふりがなをルビとは呼ばないですよね。 > >>>> > で、脚注や行間注、割注をWebや電子でやるか、というと、これは以前木田さんが主張されていましたが、これらは印刷物向けに最適化されたレイアウト機能なので、電子ならタップでポップアップするとか、新しい手法があるべき、という意見に割と賛成です。電子書籍読んでいて、脚注が出てくると、非常に使いづらい気がします。 > >> -- > >> Regards, > >> Makoto > > > > > > -- > > Regards, > > Makoto > -- Regards, Makoto
Received on Monday, 3 August 2020 03:15:07 UTC