- From: Yasuo Kida <kida@apple.com>
- Date: Sun, 12 Feb 2012 02:11:51 -0800
- To: MURATA Makoto <eb2m-mrt@asahi-net.or.jp>
- Cc: Koji Ishii <kojiishi@gluesoft.co.jp>, "public-html-ig-jp@w3.org" <public-html-ig-jp@w3.org>
- Message-id: <6933CDD2-6D7B-4F19-9C8B-E4C8289711EC@apple.com>
この例はすごいですね。ルビが空間の都合によって右についたり左についたり。「乳母」はルビも解説も右。「快活」はルビが左で解説が右。解説のかかる範囲が分るように棒線が引かれている。ルビは普通は右側だけれど「愛し」は左。ルビのルビまで登場していますね(乳母の説明の「育てる」にルビ)。 これを組むのはそれは大変な手作業だったと想像できます。さすがにリフローの起こる環境でこれを自動でレイアウトするのは技術的にかなり難しそうです。 今までに見つけていただいた例を見ると、こんな風にまとめられますかね。 ・ある程度の使用例が見つけられる。 ・ほとんどの場合が語義解説、つまりグロッサリーのいち表現形態。 ・その組版(語義のかかる範囲の示し方、左右の使い方など)の方法は様々で確立されたルールがあるわけではない。 これは両側ルビといった組版技術の問題としてではなく、グロッサリーとして表現形態を考える、というアプローチの方が実りがあるような気がします。電子媒体なら、マウスオーバーやタッチなどのジェスチャーで語義がポップアップするなど、紙にはできない表現が可能です。 場合によっては難しい単語の読みもルビとして表さずに随時呼び出せるグロッサリーに任せてしまうという表現の仕方もありますね。 木田 On 2012/02/11, at 21:02, MURATA Makoto <eb2m-mrt@asahi-net.or.jp> wrote: > 両側ルビの例として、講談社の「21世紀版 少年少女文学館 > シリーズ」があります。これは、世界文学館、日本文学館、 > 古典文学館からなる全69巻のシリーズです。このシリーズ > の特徴の一つは、徹底したルビにあります。 > > Amazonに、このシリーズの特集ページがあり、画像で > 実際のページを示しています。もちろんルビも含まれ > ています。 > > http://www.amazon.co.jp/gp/feature.html?ie=UTF8&docId=1000173306 > > このシリーズでのルビは、単に読み方を説明するだけ > ではなく、少年少女には難しい事項を分かりやすく説明し > ています。たとえば、「北の政所」には、傍線が引かれ > ており、「摂政、関白の妻の敬称」というルビが右側に > ついています。そして、「北」の左側には「きた」、 > 「政所」の左側には「まんどころ」とルビが振られています。 > > 最初に見たときは、大量のルビが煩わしく思いました。 > しかし、実際に読んでみると、これがなかなかいいのです。 > 本文中に難しいところがあっても、確認したくなればちょっと > 視線をずらせばよく、面倒な操作(たとえば脚注番号を辿る > など)をする必要がありません。ルビを取り去ったらこの > シリーズの魅力は半分になってしまうでしょう。 > > このシリーズは執筆も編集も組版もたいへんだったと思います. > 日本の古典を少年少女に親しませるために一所懸命に工夫したの > でしょう。親として子供に少しずつ与えていきたいと思います > し、自分でも読みたいと思っています。 > > 私はこのシリーズのルビを絶賛しますが、両側ルビをHTML > やCSSでやるべきかどうかについては、また話が別です。 > むしろ、安易な模倣はこのシリーズに携わった人達を失望さ > せるのではないかと思います.複雑ルビを入れるべきかどうか > について論点を整理しませんか。 > > 村田 真 > > > -- > > Praying for the victims of the Japan Tohoku earthquake > > Makoto
Received on Sunday, 12 February 2012 10:12:14 UTC