- From: Koji Ishii <kojiishi@gluesoft.co.jp>
- Date: Sat, 1 Jan 2011 01:13:47 -0500
- To: "public-html-ig-jp@w3.org" <public-html-ig-jp@w3.org>
皆様、明けましておめでとうございます。 ご存知の方も多いと思いますが、Ruby Annotation[1] におけるSimple Rubyで <ruby> <rb>漢字</rb> <rt>かんじ</rt> </ruby> というタグだったものが、HTML 5[2] においては <ruby> 漢字 <rt>かんじ</rt> </ruby> と、rb タグを失くすようになっています。 これに対し、i18n reviewからオプションでいいので rb タグを許容してほしいというリクエスト[3] が上がっていますが、Editorにすでに一度Rejectされています。 HTML WG側の主張は 1. 徹底的な調査(extensive research) の結果、現実に沢山のページ(in practice many pages)が rb タグを使っていない 2. タグを付与する価値がないので、短期的に rb を削除するコストが発生したとしても、長期的にはメリットがある ということですが、i18n reviewの主張は 1. 調査すると90%以上のページが rb タグを使っている 2. XMLやXHTMLとコピーする場合など、互換性の問題が生じる と全く異なる事実を指しています。 長期論は水かけ論になる可能性もありますが、少なくともHTML WGの言う「短期コスト」を払うのは日本の製作者であり、HTML WGの調査の「rbタグを使っていない」が我々の認識と大きく異なる以上、これをきちんと議論しないと、将来に遺恨を残すと判断し、この問題[3] をreopenしました。 最近ボランティアでDAISY教科書などにも関与させていただいていますが、そこではvalidationが必須になっているため、HTML 5から落とされてしまうと、過去のデータをHTML 5化する時に rb タグをすべて落とさなければなりません。 また「タグを付与する価値がない」という主張に対しても、DOM/CSS/XPathでルビの親文字を指定することができなくなる、という実質的なデメリットがあると思っています。 個人的考えにより、i18n WG/fantasaiとともにHTML WGとこの問題を議論していこうと思っていますが、皆様のご意見もいただければ幸いです。 [1] http://www.w3.org/TR/ruby/ [2] http://www.w3.org/TR/html5/text-level-semantics.html#the-ruby-element [3] http://www.w3.org/Bugs/Public/show_bug.cgi?id=10830
Received on Saturday, 1 January 2011 06:11:51 UTC