- From: Toshiyuki Kamada <tkamada@acm.org>
- Date: Wed, 14 Jul 2010 22:44:16 +0900
- To: public-html-ig-jp@w3.org
愛知教育大学の鎌田です。 > 無論、細部を見ていけば、かっこが回転したり、ルビ文字の位置やベースラインが > 変わったり、縦中横などの独特の表現が好まれたり、と多数の違いがあることは > 言うまでもありません。 > > しかし、開発者としての経験で申し上げれば、日本語(またはCJK)組版における、 > 横組みと縦組みの違いは、結局、本質的には、使用する座標系の違い > でしかない、というのが実感です。 TeXの多国語組版の実装を調べてみましたが、おっしゃる通り、座標系の変換が基本でした。leftやright、widthやheightも、文字の進行方向、行や段落の進行方向にあわせて解釈をかえています。 それぞれ、言語ごとに細かな調整は必要ですが、それは文字種ごとにクラスを分けたり(禁則の実現には役物を特別扱いしますが、TeXにはもともと文間スペース処理のためのキーワードがあるので、それを使ったりします)、特別なマクロを組んだりしてルビを実現するようなことがなされています(韓国語にもルビはある)。 > 現在、ウェブブラウザでの縦組み表示の実装状況は、芳しくありませんが、 > この状況を打破するためには、まず我々日本人自身が、縦組みと > それに付随する問題について、正確に理解し、次に明確に説明していく > 必要が、あるのではないか、そんな風な感想を持ちましたね。 > > thoton global computing 秋元 WebにせよTeXにせよ、box and glueのモデルは似通っているので、TeXでできる組版に近いことはWebでできないことはないと思います。TeXではマクロが自由に組めますが、WebではCSSで表現するために、語や意味を予め吟味しておかなければならないところが違いといえるでしょうか。
Received on Wednesday, 14 July 2010 13:45:18 UTC